これにはサイブル本人も「（先発起用されても）自分にとっては何も変わらない。どんな試合であろうと、俺は本質的にベストプレーヤーたちをガードする役割をこなしているからね。カワイ（レナード／ロサンゼルス・クリッパーズ）、レブロン（ジェームズ／ロサンゼルス・レイカーズ）は別かもしれないけど、俺にとってはそれこそが自分の役割なんだ」と準備はできていると語った。

　そしてシクサーズがプレーオフ１回戦を勝ち上がるためのもう１人のキープレーヤーはエンビードだろう。シモンズ不在により、オフェンスのペースが落ち、シクサーズはオフェンスが単調になってしまう恐れがあるだけに、ハーフコートで支配力を発揮するビッグマンにはセルティックスが敷くオールスイッチのディフェンスを攻略し、安定した活躍が求められる。
  「俺はただ上手くなり続けたいだけ。毎試合、俺はダブルチームされているから、オフェンスの状況を把握し、チームメイトたちのためにショットをクリエイトしなきゃいけない」

　エンビードは８月３日のサンアントニオ・スパーズ戦後にそう話しており、チームオフェンスの中心として自身の存在感をこれまでよりもさらに活用していくことを示唆していた。

「俺がオープンであれば（リングに）押し込むし、コートに出てそれをやるまでだ。でもそれ以上に、俺がディフェンダーたちへ多くの注意を引きつけて、チームメイトたちのために戦うことが重要になってくる」という言葉からも、エンビードの決意が見てとれる。

　はたして、シクサーズはセルティックス相手にどのような戦いを見せるのか。敵将ブラッド・スティーブンズＨＣは入念な準備をして臨むことが大いに予想されるだけに、両チームの攻防は必見だ。

文●秋山裕之（フリーライター）