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NBA

プレーオフ連続出場記録が途切れたスパーズ。名将ポポビッチは愛弟子にバトンを引き継ぐのか?

北舘洋一郎

2020.08.14

1998年からチームを毎年プレーオフへと導いてきたポポビッチ。記録が途絶えた今、愛弟子へバトンを受け渡すのか?(C)Getty Images

1998年からチームを毎年プレーオフへと導いてきたポポビッチ。記録が途絶えた今、愛弟子へバトンを受け渡すのか?(C)Getty Images

 サンアントニオ・スパーズの1997ー98シーズンから続いていた22シーズン連続プレーオフ出場記録が途絶えた。

 1996-97シーズンの途中でボブ・ヒルがヘッドコーチ(HC)を解任され、アシスタントコーチからHCへと昇格したグレッグ・ポポビッチは、翌年からチームを毎年プレーオフに導いてきた。スパーズは彼の下で5度のチャンピオンに輝き、リーグ屈指のエリートチームとなったが、ここ数シーズンは苦戦を強いられていた。

 ポポビッチのチーム構築はデイビッド・ロビンソンからティム・ダンカンに継承されてきた、ビッグマンを中心としたNBAでも長く続いた言わばベーシックなスタイルだった。その時代ごとに彼らの脇を固めるロールプレーヤーを加え、チームは好成績を残してきた。だがこの一芸に秀でた選手を集めたスパーズの人事も、徐々に時代遅れになりつつある。近年は多くのチームが複数のポジションをこなせる、オールラウンドプレーヤーの補強を進めているからだ。
 
 筋金入りのスパーズファンなら、インサイドからキックアウトされたパスをすぐにシュートするのではなく、その後もサイドに2回、3回とパスを回し、相手ディフェンスを完全に外し、超ノーマークの状態で3ポイントを決めるというスタイルが真髄だとお分かりだろう。しかし、ここ数年でNBAはオフェンス有利のルール変更や、1オン1中心のアップテンポな展開へ変化し、スパーズの伝家の宝刀である“ビューティフル・バスケット”は時代遅れのスタイルになっていたことも否めない。

 ポポビッチのように同じチームで20年以上も指揮を執っていれば、時代の潮流にアジャストしながらも、コーチフィロソフィー(哲学)を貫かねばならない。自らのバスケットボールへ望む指針を構築して、それを継続していくことはどんなコーチもできることではないのだ。

 ポポビッチにとって愛弟子のダンカンが引退へ向かってカウントダウンを進める状況は、スパーズの変革の大きなタイミングを意味していた。ラマーカス・オルドリッジにダンカンの後継者として期待したが、思い通りにはいかなかった。
 

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