シューズを取り出すとさらなる衝撃が！コビーが、こちらを睨めつけているのです。これだけ凝ったＢＯＸの演出は、adidas史上類を見ません。

　１番驚きなのは１万5000円（税抜き）という価格です。adidasの歴史に残る一大プロモーションをぶち上げ、シューズの戦略的テクノロジーを背負うシリーズを完全無視して独自に開発されたシューズがこの値段なのです。前作の「KB8 lll」が２万5000円（税抜き）だったことを考えれば、破格と言っていいでしょう。
 

　なお、このモデルを着用した1999-2000シーズン、コビーは平均22.5点、6.3リバウンド、4.9アシストをあげてオールNBA2ndチームに選出。相棒のシャキール・オニールのとのコンビも機能し、レイカーズは９年ぶりにウエストの頂点に立ちました。しかしコビーはインディアナ・ペイサーズとのファイナル第２戦で足を負傷。第３戦を欠場しますが、第4戦に強行出場すると、オーバータイムにもつれ込んだ大事な局面でビッグプレーを連発し、チームに勝利を導きました。

　入団４年目で悲願のチャンピオンリングを手に入れたコビー。この「THE KOBE」とともに、レイカーズのライジングスターはスーパースターの仲間入りを果たしたのです。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之／日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ！せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム（＠dukas_cafe）では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

【PHOTO】シンプルなデザインからキャラクターモデルまで！お洒落なNBAプレーヤーたちのシューズ特集！