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NBA

シャック、ヒル、コビーらを筆頭とする「ジェネレーションX」が生きた“アメリカンドリーム”の時代

北舘洋一郎

2020.07.16

90年代後半、シャック、ヒル、コビーらを筆頭とする「ジェネレーションX」が台頭し、NBAを大きく盛り上げた。(C)Getty Images

90年代後半、シャック、ヒル、コビーらを筆頭とする「ジェネレーションX」が台頭し、NBAを大きく盛り上げた。(C)Getty Images

 NBAの歴史を語る上で「ジェネレーションX」という世代は重要な意味を持っていた。1990年代後半のNBAではオールドスクールと呼ばれる選手とジェネレーションXと呼ばれる選手で区分けするトレンドがあった。

 わかりやすく世代分けすると、「オールドスクール」はマイケル・ジョーダン、チャールズ・バークレーが筆頭。ジェネレーションXはシャキール・オニール(シャック)、コビー・ブライアント、グラント・ヒル、アンファニー“ペニー”ハーダウェイ。また、この間の世代だったスコッティ・ピッペン、レジー・ミラー、ゲイリー・ペイトンは「ニュースクール」と呼ばれていた。

 90年代後半にかけてNBAに限らずアメリカのプロスポーツ界ではジェネレーションXと呼ばれる選手たちが次々と台頭し始め、どんどん面白みを増していった時代だった。

 当時ジョーダン、バークレー、パトリック・ユーイングなどの典型的なオールドスクールのスーパースターはすでに30歳を超えていたが、いまだリーグ屈指の存在だった。そこに25歳からティーンエイジャーまでを含むシャック、ヒル、コビー、クリス・ウェバー、アレン・アイバーソンなど個性派で実力のある若手が力をつけたことで、注目チームが増加した。リーグの選手層自体に厚みが生まれ、各チームにスーパースターが分散したことで総体的にNBAは面白いリーグとなっていったのだ。
 
 オールドスクール、ニュースクール、そしてジェネレーションXとこの3世代は20年ほどの幅の中に収まっているが、15歳以上(ジョーダンとコビーはちょうど15歳差だった)も歳の離れた選手が同じコートで、それも同じクオリティで試合ができるという環境はまさにアメリカが成せる技だったと感じる。

 ジョーダンを筆頭としたオールドスクール世代はNBAの頂点を極めながら、なかなかトップの座を譲らなかった。その結果、ひとつ下のニュースクール世代は良い意味でも悪い意味でも落ち着いてしまった。ピッペン、ペイトン、ミラーは確かに素晴らしい選手ではあったが、オールドスクール世代と比較すると、カリスマ性がコートの上に限らず、オフコートでも作ることができなかったのではないか。

 それならジェネレーションX世代はどうなのか。

 今年ニューヨーク・ニックスの球団副社長に就任したウィリアム・ウェスリーに言わせれば、「彼らは多くの意味でルーキー時代からカリスマ性を期待される才能を持っていた。ジョーダンがルーキーだった時も同じような印象だった」と振り返る。
 

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