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NBA

新型コロナウイルスは各球団の補強戦略にも影響。大型移籍皆無、近年で最も無風のオフが訪れる!?

杉浦大介

2020.08.28

エースのドノバン・ミッチェル(右)と不仲が報じられたゴベア(左)にはトレードの噂もあるが、短いオフで話がまとまるか?(C)Getty Images

エースのドノバン・ミッチェル(右)と不仲が報じられたゴベア(左)にはトレードの噂もあるが、短いオフで話がまとまるか?(C)Getty Images

■NBAファンには物足りない静かなオフになることが濃厚 

 もともと今夏にマーケットに出る人材は格がかなり落ちる。唯一の目玉と目されていたアンソニー・デイビスはプレーヤーオプションを持っており、ここでFAになるにしても、1年待つにしても、いずれにせよレイカーズ残留が濃厚。同じく巨額のプレーヤーオプションを持つデマー・デローザン(スパーズに残留した場合の来季年俸は2774万ドル)、ゴードン・ヘイワード(セルティックス/同3419万ドル)、アンドレ・ドラモンド(キャバリアーズ/同2875万ドル)は、今オフにFAになることは回避するだろう。また、今季ブレイクしたブランドン・イングラムは制限付きFAになるが、こちらもペリカンズ残留の可能性が高い。

 代わって目玉となるのは、フレッド・ヴァンブリート(ラプターズ)、ジョー・ハリス(ネッツ)、モントレズ・ハレル(クリッパーズ)、ダニーロ・ガリナーリ(サンダー)、ポール・ミルサップ(ナゲッツ)といったメンバー。彼らは好選手だが、移籍後にリーグの勢力図を変えるレベルのスターではない。 
 
 トレードではクリス・ポール(サンダー)、ルディ・ゴベア(ジャズ)、デローザンといったビッグネームが動くのではという予測もあるが、前述した通り、オフの期間が限られていることを考えれば、まとまるかどうかは微妙なところ。結果として、今オフは近年で最も無風のオフに終わる可能性が高いだろう。再開後のシーズンで故障、内紛といった大きな事件がない限り、ビッグスターがほとんど動かない珍しいオフとなっても不思議はない。

 過去2年は、レブロン・ジェームズ(キャバリアーズ→レイカーズ)、ケビン・デュラント(ウォリアーズ→ネッツ)、カワイ・レナード(ラプターズ→クリッパーズ)、カイリー・アービング(セルティックス→ネッツ)といったスーパースターが次々と所属チームを変え、リーグを震撼させてきた。

 NBAファンには、シーズン中と同じくらいオフの移籍劇を楽しみにしているマニアも少なくない。しかし、そんな人にとっては物足りない結果に終わるかもしれない。短いオフシーズンの中で、ファン、関係者は改めてコロナの影響を痛烈に思い知らされることになるだろう。

文●杉浦大介

※『ダンクシュート』2020年9月号掲載原稿に加筆・修正。

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