優勝したスペインは、大会MVPのリッキー・ルビオ、ビッグマンのマルク・ガソルと長年代表でプレーしてきた2人を軸に、組織として上手くまとまっていた。また、1次~2次ラウンドではロースコアの試合が目立っていたが、決勝トーナメントに入って徐々にギアを上げていったのもさすがだった。
準優勝のアルゼンチンも、変幻自在のパスで魅了したプレーメーカーのファクンド・カンバッソ、39歳にして未だトップレベルの実力を証明したルイス・スコラを軸にコート上の5人がしっかりボールに絡む質の高いチームバスケットを展開。スペイン、アルゼンチンが見せたような組織力は、今大会のアメリカにはないものだった。
メンバーが一緒に過ごす時間が少ないチームは、大会中や試合中の修正能力も低い。予選リーグ初戦でアメリカに敗れたチェコが最終的には6位と、アメリカを上回ったのも組織力の差と言える。チェコはNBA選手のトーマス・サトランスキーが絶対的な存在となっていたが、決して彼のワンマンチームではなかった。チームプレーが基盤としてあり、そのなかでサトランスキーが生かされていた。
ワールドカップは、個の力を全面に押し出すだけでは勝てない。質の高いチームプレーが基盤にあってこその個であることが、アメリカの完敗という結果でより示された大会だった。
文●鈴木栄一
準優勝のアルゼンチンも、変幻自在のパスで魅了したプレーメーカーのファクンド・カンバッソ、39歳にして未だトップレベルの実力を証明したルイス・スコラを軸にコート上の5人がしっかりボールに絡む質の高いチームバスケットを展開。スペイン、アルゼンチンが見せたような組織力は、今大会のアメリカにはないものだった。
メンバーが一緒に過ごす時間が少ないチームは、大会中や試合中の修正能力も低い。予選リーグ初戦でアメリカに敗れたチェコが最終的には6位と、アメリカを上回ったのも組織力の差と言える。チェコはNBA選手のトーマス・サトランスキーが絶対的な存在となっていたが、決して彼のワンマンチームではなかった。チームプレーが基盤としてあり、そのなかでサトランスキーが生かされていた。
ワールドカップは、個の力を全面に押し出すだけでは勝てない。質の高いチームプレーが基盤にあってこその個であることが、アメリカの完敗という結果でより示された大会だった。
文●鈴木栄一