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バスケW杯

「Bチーム」とすら呼べなかったアメリカ。スター選手が辞退する風潮が生まれたのはなぜ?

杉浦大介

2019.09.13

スター選手に辞退者が続出し“Bチーム”でワールドカップに臨んだアメリカは、あっけなく準々決勝で敗れた。(C)Getty Images

スター選手に辞退者が続出し“Bチーム”でワールドカップに臨んだアメリカは、あっけなく準々決勝で敗れた。(C)Getty Images

 FIBAワールドカップの開幕前、アメリカ国内がその話題で盛り上がっているとはとても言えなかった。アメリカではもともと国際大会への関心が他国と比べて薄いが、それだけが理由ではなかっただろう。

 今大会を前に、レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、カワイ・レナードといった大物たちが次々と代表からの辞退を表明。辞退者の続出は7月下旬のトレーニングキャンプ開始直前まで続き、昨季オールNBAチームに選出されたアメリカ国籍の11人のうち、出場を決めたのはケンバ・ウォーカーだけとなった。最終的に“Bチーム”とすら呼べないメンバーになったのであれば、ファンの関心が低いのも仕方ない。

「辞退を決めた選手たちの事情はコントロールできない。いない選手たちのことを嘆いていても仕方ない。それでも私たちにはやり遂げられるという自信はあるよ」
 2009年からアメリカ代表のチェアマンを務めてきたジェリー・コランジェロの言葉通り、ウォーカー、ドノバン・ミッチェル、マイルズ・ターナーらが中心のロースターはそれほど悪くはない。

 だが、母国を代表するはずのメンバーがこれだけ格落ちになるのはやはり寂しいし、不安にもなる。5年前のワールドカップではガード陣の層が厚く、デイミアン・リラードすらもロースターに残れなかった。それが今回、こんな事態になった原因は何なのか。

 理由は諸説あるが、一般的にスケジュールの厳しさを指摘する声が最も多い。ワールドカップは8月31日から9月15日まで開催され、決勝まで進んだ場合はNBAのキャンプ開始まで約2週間しかなくなってしまう。


 最近ではスター選手の負担軽減が重視されるようになっており、昨季のラプターズはレナードをレギュラーシーズンでは60試合しかプレーさせずに成功した。そんな時代において、オフの間に代表チームでフル回転し、体力を消耗するのは割に合わない。そう考える選手が多かったことが、辞退選手の続出につながったのではないだろうか。
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