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NBA

デュラントが「本当に尊敬できる人物」と全幅の信頼を寄せるネッツの新指揮官ナッシュ。過去の例から成功の可能性を探る!

秋山裕之

2020.09.04

 とはいえ、“名選手、名監督にあらず”という言葉があるように、現役時代にスーパースターだったからといって、指揮官として必ずしも成功が約束されているわけではない。

 これまでシーズンMVPを獲得した選手で、NBAチームのHCを務めたのは8人。そのうち成功したと言えるのはラリー・バード(元ボストン・セルティックス)くらいだろう。バードはインディアナ・ペイサーズで3シーズン指揮官を務め、レギュラーシーズン通算147勝67敗(勝率68.7%)、プレーオフでも32勝20敗(勝率61.5%)という実績を残してきた。

 だがアービン“マジック”ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)は5勝11敗(勝率45.5%)、デイブ・コーウェンス(元セルティックスほか)も161勝191敗(勝率45.7%)といったように、勝率5割を下回っているケースが多いのが現状だ。
 
 その一方で、ここ20年ほどで現役時代にPGを務めた選手が、ナッシュと同様にアシスタントコーチ(AC)の経験もないままHCに就任した例はいくつもあった。

 アイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)が2000年にペイサーズ、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか/現レイカーズAC)は2013年にネッツ、デレック・フィッシャー(元レイカーズほか)も2014年にニューヨーク・ニックスのHCに抜擢。現在ロサンゼルス・クリッパーズで指揮を執るドック・リバースも、1999年にAC経験なしにオーランド・マジックのHCとなり、ゴールデンステイト・ウォリアーズに至っては2011~14年にチームを率いたマーク・ジャクソン(元ペイサーズほか)、そして現指揮官のスティーブ・カー(元シカゴ・ブルズほか)と、2人連続でAC経験なしの元PGをHCとして招聘している。

 そのうちリバースはボストン・セルティックス時代の2008年に、カーも在任6シーズンで3度(2015、17、18年)の優勝を経験。また、ナッシュ自身も2015年からウォリアーズにコンサルタント役として在籍しており、フロントの一員として複数回のリーグ制覇を見届けてきただけに、指揮官としての期待は高まるばかりだ。
 
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