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NBA

アルゼンチンの“ファンタジスタ”、カンパッソが来季NBAに挑戦か。ネックは現所属レアルとの契約問題?

小川由紀子

2020.09.05

昨年のW杯では大会3位のアシストを記録するなど、アルゼンチンの準優勝に大きく貢献した。(C)Getty Images

昨年のW杯では大会3位のアシストを記録するなど、アルゼンチンの準優勝に大きく貢献した。(C)Getty Images

 昨年のワールドカップでの活躍も、カンパッソの評価を大きく上げた。準優勝したアルゼンチンの司令塔として平均13.3点、大会3位の7.8アシストを記録。セルビアとの準々決勝で18得点、12アシスト、6リバウンドの活躍を見せると、準決勝のフランス戦でも大黒柱のスコラとの絶妙なコンビネーションを披露し、チームを4大会ぶりのファイナルに導いた。

 アルゼンチン代表のセルヒオ・ヘルナンデスHCも、愛弟子のNBA行きについて前向きにコメントしている。

「カンパッソはプレーすればするほど生きるタイプのプレーヤーだ。これまでも、ベンチ要員、あるいは第3ガードというポジションでならNBAのチームからオファーはあった。しかし来シーズンは、真剣に彼の獲得に動くチームがあるのではないか。NBA行きのチャンスが訪れたら彼はきっと掴むだろう。これまで彼は目の前の障害をすべて乗り越えてきた。次はNBA行きの壁を打ち破る番だ」

 現在、複数のNBAチームが獲得に興味を示しているとのことだが、特に候補に挙がっているのは、ミネソタ・ティンバーウルブズとダラス・マーベリックス。マブズには2017-18 シーズンにレアルでともに戦い、2冠を達成したルカ・ドンチッチがいる。
 
 8月1日のヒューストン・ロケッツ戦後、カンパッソ獲得の噂について聞かれたドンチッチは、「彼が来たら嬉しいよ。NBAでプレーするにふさわしい選手だ。NBA入りが実現してほしい」と語っていた。

 ネックになるのがレアルとの契約問題。カンパッソは2019年のACBファイナルでMVPに輝くと、その年の夏にレアルとの契約を2024年まで延長している。バイアウトで発生する600万ユーロのうちNBA側の受け入れクラブが72万5000ユーロを提供するとしても、カンパッソの負担は527万5000ユーロと少ない額ではない。

 一説によれば、10月まで在籍する分を120万ユーロとして、これをレアル側が負担することで10月に移籍を実現させ、残りはカンパッソが分割で支払っていくというプランも浮上しているという。

 スペインでは9月12、13日のスーパーカップで新シーズンの公式戦がスタート。チームは目下、最終調整の真っ只中だ。

 今年3月に29歳になったカンパッソは、今まさに脂が乗った時期。果たしてアルゼンチンのファンタジスタが世界最高峰の舞台へ挑戦する機会は訪れるのか。オフのフリーエージェント市場から目が離せない。

文●小川由紀子

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