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NBA

4連敗でのスウィープ負けならNBA初の不名誉記録に。アデトクンボはバックスを窮地から救えるか

秋山裕之

2020.09.06

「NBAの歴史のなかで、バブル(リーグによって隔離された開催地)でプレーするのは初めてのこと。それなら、0勝3敗からカムバックする初のチームが現われるかもしれないじゃないか。俺たちは互いを信頼しなきゃいけないし、信じ続けなければならない。俺たちのシーズンは終わったわけじゃない」

 ベテランのジョージ・ヒルはそう話すも、プレーオフが4戦先勝のシリーズとなって以降、0勝3敗から4連勝したチームは皆無。バックスが絶対的に不利な状況にあるのは間違いない。

 第3戦で右足首を捻挫したアデトクンボについて、球団は第4戦の出場が“questionable(疑わしい)”と公式発表していたものの、試合終了後に本人が「俺を悩ませることは一切なかった」と話していることから、チームの窮地を救うべく、第4戦でもコートに立つことだろう。
 
 だがこのシリーズのアデトクンボは平均22.7点、13.3リバウンド、7.0アシスト、1.3ブロックという好スタッツを残しているとはいえ、フィールドゴール(FG)成功率45.1%(23/51)、フリースロー成功率54.1%(20/37)とショットが不調で、思うようにプレーできていない。3試合を終えた時点の出場時間帯における得失点差は、なんとチームワーストの-34だ。

 クリス・ミドルトンが平均23.0点、5.0リバウンド、6.7アシスト、ブルック・ロペスも平均20.7点、1.7ブロックと気を吐いているものの、ヒートはジェイ・クラウダーやバム・アデバヨ、アンドレ・イグダーラ、バトラーという屈強なディフェンダーをアデトクンボにマッチアップさせ、ペイントエリアに入ればすぐさま周囲を囲む守備戦術でスローダウンさせることに成功している。第4戦ではミドルトン、あるいはシリーズ平均12.0点、FG成功率34.8%と不振のエリック・ブレッドソーがヒートの守備網をかき回し、アデトクンボ以外の選手でもっとプレーメークしていかなければ、白星を掴むのは難しいと言わざるを得ない。

 はたして、バックスはここから奇跡を起こせるのか。もしこのままスウィープ負けとなれば、アデトクンボの今後の去就にも大きな影響を及ぼしかねないだけに、第4戦はバックスというフランチャイズにとって正念場の一戦となるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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