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NBA

コビー、ウェバー、ダントーニが語る“コート内外のナッシュの素顔”。稀代の名司令塔はなぜネッツのHCを引き受けたのか

北舘洋一郎

2020.09.14

 ナッシュがフェニックス・サンズ時代に指揮官を務めたマイク・ダントーニは「スティーブがボールをコントロールしていれば、試合が大きく崩れることはないと確信して指揮ができた。HCとして指示を出さなくても、スティーブがその代わりを担っていたんだ。ターンオーバーを恐れずにラン&ガンを仕掛けられたのも、スティーブあっての戦術だった」と語る。

 ウェバー、コビー、ダントーニの話を聞いただけで、ナッシュにコートサイドでの経験がなくとも十分にその役目を果たしてくれそうな期待感が高まってくる。

 ナッシュは就任発表後、ネッツの二枚看板であるケビン・デュラントとカイリ・アービングについて、自分との関係などを交えたコメントを出した。すでにそれぞれとも話をしているようだが、ウェバーによればナッシュがネッツに決めた理由は、この2人が在籍していたことが大きな理由だったという。
 
「NBAの場合、コーチは短期間で結果を出さなければすぐに解雇だ。それは例え優秀な指揮官でも普通にある。結果を導き出すには選手が重要で、彼らが輝くためのお膳立てをするのがコーチの仕事。選手あっての結果であり、コーチが結果を出すわけではない。そして、責任はコーチが負うものだという現実をスティーブは理解している。だから、自分と相性のいいデュラント、そして同じポイントガードでありこれからの関係性が築いていけるであろうアービングの揃っているネッツに勝機を感じたはずだ」

 新型コロナウィルスの影響により変則的なスケジュールで進行するなか、ナッシュは脇を固めるアシスタントコーチ陣を選定し、その後に選手の補強をしながら、さらにチーム戦略の基礎も設計し、どうやって浸透させていくかまでの準備を進めていかねばならない。

 マジック・ジョンソン(元レイカーズ)はかつて「選手としてチームにいる時と、コーチとしている時では、まったく別の生き物にならねばならない」と言ったことがあった。また、ラリー・バード(元ボストン・セルティックス)は「選手の方が自分には向いていたね。現役時代は試合前にナーバスになることはなかったが、コーチになってからは別だった」と話している。

 名選手が名コーチになれるのか。ましてナッシュはシーズンMVPに2度も輝いたスーパースターだけに、コーチとしての力量がどれだけのものか、その注目度はかなりのものになるだろう。

文●北舘洋一郎

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