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NBA

「ダンクを控えるように言われていた」名ダンカーのケンプがNBAでの“下積み時代”を回想

ダンクシュート編集部

2020.10.13

 開幕から数週間、武器のひとつを温存していたケンプにターニングポイントが訪れたのが、1989年12月16日のニューヨーク・ニックス戦だった。デイナ・バロスとのピック&ロールからフリースローライン手前でボールを受けると、ワンドリブルをついてジャンプ。89年のスラムダンク・コンテストで優勝したケニー・ウォーカーのブロックを空中でクラッチを入れてかわし、そのまま豪快なバックダンクを叩き込んだ。

 この試合、ケンプは6得点をあげるもわずか10分間でファウルアウト。それでも開幕21試合目にしてようやくインパクトに残るダンクを決め、ようやく“足かせ”が外れたと笑って回顧する。

「キャリアで最初のビッグダンクは(マディソンスクエア)ガーデンでプレーしたニックス戦だった。ダブルポンプ・ダンクを決めたけど、(バスケットボールのメッカである)ガーデン以上にふさわしい場所はなかった。あのダンクを境に、次の30日間で43本のダンクを決めたよ(笑)」

 ケンプはNBAで14シーズンの間プレーし、通算1051試合に出場して計1505本のダンク(1試合平均1.43本)を記録したが、“自分のプレーで最大の誇り”としていたのはミドルジャンパーだったという。
 
「かつてのNBAでは、ビッグマンはドリブルをするチャンスがなかった。3ポイントを打つ機会も同様だ。俺は人々にビッグマンもそういったことをするのに十分な身体能力を持っていると納得させようとした。そして、上手くいった。一番誇りを持っているものをひとつ訊かれたら、間違いなくミッドレンジゲームと答える。18フィート(約5.5m)以内ならどこからでもシュートを打てた。現代で一番のミドルレンジの使い手はカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)だろう。時代は違うが、俺もそれに近かったし、3ポイントは撃てなくても、18フィート以内ならどこからでも高確率でシュートを沈められた」

 ソニックス時代の輝かしいプレーから一転、1997年のクリーブランド・キャバリアーズ移籍後は、体重増加によるパフォーマンス低下、ドラッグやアルコールの誘惑を断ち切れず、転落人生に直面。

 33歳だった2002-03シーズンを最後にNBAの舞台から姿を消したが、もし全盛期の勢いそのままでキャリアを過ごしていたら――。そう思いを巡らせるファンも少なくないだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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