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NBA

デビューから丸11年。稀代の“ゲームチェンジャー”ステフィン・カリーの凄さを歴戦のディフェンダーが語る

秋山裕之

2020.10.30

 一般的には3ポイントよりもレイアップの方が成功率は高いものだが、カリーの場合は長距離砲を沈めることで、数多くの相乗効果が生まれるとブリューワーは言う。

「もしステフがスリーを連発してしまえば、毎回負けを覚悟しなければならないだろうね。彼がほとんどのショットを決めてしまうだけじゃないんだ。観客がゲームに熱中して、チーム全体にも力を与えてしまう。ある時、彼がスリーを連続して決めて観客が大盛り上がりした時、俺たちは彼にダブルチームをつけたんだ。そしたら彼は見事にかいくぐって、コートにいるチームメイト全員を巻き込んでしまってね。つまり、彼がスリーを決めると悪夢が始まってしまうのさ」

 ブリューワーはこれまで計8チームに所属してきたが、そのうち7チームはウエスタン・カンファレンスのチームだったことから、レギュラーシーズンで何度もカリーにマッチアップしてきた。その中でカリーは“リーグ史上ベストな囮役の1人”だとも語っている。
 
「ステフ・カリーがコートにいるだけで、コート上の皆へスペースを与えるんだ。何度も言うけど、ハーフコートを越えたら彼をガードしなきゃいけない。俺なら彼の近くにいるようにするだろう。でもそうすることで、他の4人に十分なスペースを与えてしまうんだ」

 キャリア13年を誇るブリューワーがそう言うのだから、他の選手たちにとってもカリーは“最もガードしたくない選手”の1人と言っていい。そのカリーが来季、完全復活を遂げるとなれば、やはりウォリアーズを優勝候補から外すことはできないのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】プレーでもルックスでもファンを魅了!NBA史上最高のシューター、ステフィン・カリーの厳選ショット!
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