「たくさんの噂が渦巻いている。皆がそれぞれの意見を持っているからね。でも結局のところ、俺は家族にとってベストな決断をする。俺は数年間をミルウォーキーで過ごさなくなるのかとは見ていない。ミルウォーキーと俺が同じ考えを持っている限り、（バックスが）リーグのベストチームのひとつで、チャンピオンシップを勝ち取っているのであれば最高だ。そうならないのであれば嫌だね。簡単なことさ。俺は勝者になりたい。このチームが勝利を重ねて、勝利するカルチャーがあれば最高さ」

　レギュラーシーズンでは２シーズン連続でリーグトップの戦績を残しているバックスは、アデトクンボの成長と比例して勝利を重ねることができるチームへと変貌を遂げたと言っていい。問題はプレーオフで勝ち切れないことだろう。

　開幕までにフロント陣がロースターをアップグレードすることができるのであれば、バックスは今季も優勝候補に挙げられる有力チームになる。
  　では、肝心のアデトクンボはミルウォーキーに残って延長契約にサインするプランなのか。その問いに対してアデトクンボは以下のように語っている。

「どんなプランなのかは分からない。彼ら（バックス）がどんな決断を下していくかによるね。正しい決断を下してくれれば、俺はこの先もずっとここにいるだろう。でもそうしなければ、どうなるか分からない。ＮＢＡはビジネスだからね。できるなら、一緒に成功を収めていきたい」

　はたして、アデトクンボはバックスとの延長契約にサインするのか。もしこの男が開幕までにバックス残留を決断しなければ、今年のＦＡ戦線は来夏に向けた準備期間として大型契約が成立しない可能性もあるだけに、今後の動向から目が離せない。

文●秋山裕之（フリーライター）

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