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NBA

「バスケが好きでたまらないんだ」NBAから故郷イタリアリーグに凱旋したマルコ・ベリネリが挑む新たな挑戦

小川由紀子

2021.01.10

 目標としていた大先輩とは、その後スパーズで再会。そしてともにタイトルを勝ち取った。

 優勝を決めた試合の後に「この喜びを誰と分かち合いたい?」と聞かれたベリネリが「多くの人が疑いの目で見ていた自分を、信じ続けてサポートしてくれた家族」と答えて男泣きしたシーンは、いまだにファンの間で語り継がれている。ディフェンスを明確な弱点と自覚していたがゆえに、彼は懸命にシュート力を磨いたのだが、ニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)時代のチームメイト、クリス・ポールはそんなベリネリを「動きのなかでも静止した状態からも、効率よくシュートが決められる能力は凄い」と称賛していた。

 ビルチュスは、ジノビリがいた2000-01シーズンに国内とユーロリーグの2冠を達成したのをピークに下降線を辿り、5年前には最下位に沈んで痛恨の2部リーグ降格も喫した。しかし、スポンサーだったコーヒー会社がオーナーに名乗りを上げてクラブ再建を約束。1年でトップリーグに返り咲き、新型コロナウイルスにより中断となった昨シーズンは、それまでの20試合で18勝2敗と単独首位に立っていた。

 今季も国内リーグで現在3位。参戦中のユーロカップでは、出場24チーム中、唯一レギュラーシーズンを10勝0敗と全勝で終え、優勝候補の筆頭に立っている。
 
 そしてベリネリは、その新オーナー主導のクラブ復興プロジェクトを推進する重要メンバーとして招かれた。

「今回ビルチュスは、偉大なプロジェクトを携えて僕のところへ来てくれた。そして、僕にすばらしいものを与えてくれた。それは自分が“イタリア、そしてヨーロッパで成功するというこのクラブの大きな目標の達成に、尽力できる重要な選手”だとを実感させてくれたことだ」

 入団会見の席で、ベリネリは古巣復帰に至った思いをそう語った。

 ビルチュスには昨シーズンから、かつてロサンゼルス・クリッパーズにも所属した欧州を代表するセルビア人ガード、ミロシュ・テオドシッチも所属している。

「彼とは代表で対戦しているが、いつか一緒にプレーしたいと夢見ていたよ。非常にユニークな選手だからね」

 ベリネリはそう話し共闘を歓迎。ユーロカップのレギュラーシーズンMVPにも選ばれるなど、絶好調のテオドシッチと組んだコンビプレーは、観る側にとっても魅惑的だ。
 
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