入団会見やメディカルチェックを終えて、11月30日からトレーニングに参加。しかしその後は股関節の筋肉疲労のため実戦は見合わせ、約１か月後の12月27日、セリエＡ（国内リーグ）のアルマーニ・ミラノ戦で、ようやくファンも待ち望んでいた古巣デビューを飾った。

「13年ぶりのイタリアで、試合前はもの凄く緊張した」と話したベリネリが着けていた背番号は“３”。そしてユーロカップでは“18”を着用することになっている。どちらもスパーズ時代に袖を通していたナンバーだ。実は３番はすでにほかのチームメイトが着けていたが、快く交換してくれたそうで、国内リーグの方も早速変更が叶ったのだった。

“３”に愛着があるのは、スパーズでこの番号を背負ってＮＢＡチャンピオンになったこと、そして自分が３ポイントシューターであることを誇りにしているから。そして“18”は、2007年6月28日、ドラフト当日にマディソンスクエア・ガーデンで自分の名前が呼ばれた順位だ。

　12月中旬でレギュラーシーズンを終えたユーロカップにはまだ出場できていないが、１月13日から開始するTOP16での活躍が期待される。初戦の相手はスロベニアのオリンピアだ。
  「ここで自分のベストを発揮したい。それにまだまだ成長したいんだ。年齢に関係なくね。自分の役割はシューターだと自覚しているが、それ以外にもチームを助けるためにできることはある。ウィークポイントである部分も、自分の限界まで向上させていきたい」

　今年３月で35歳になるベリネリは、今後もスクデット（国内タイトル）、ユーロカップ、そしてユーロリーグと、ビルチュスで一歩一歩目標を達成していきたいとまだまだ貪欲だ。また、2019年のワールドカップではダニーロ・ガリナーリ（アトランタ・ホークス）とともに中軸を担ったイタリア代表としても、６月の東京五輪予選に向けて意欲を燃やしている。

「僕のプレーは、ＮＢＡやイタリア代表ですでに観てもらっていると思う。自分は力をセーブしながらプレーするようなタイプじゃない。この競技が好きでたまらないんだ。だからいつだって全力でプレーするよ」

　イタリア人で現在唯一のＮＢＡチャンピオン、マルコ・ベリネリ。彼の新たな舞台での活躍を応援したい。

文●小川由紀子

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