しかしながら後半は一転してシュートが入らなくなり、第3クォーター終了間際に4つ目のファウルを犯してベンチに下がる。そのファウルは、ジョーダンがコビーからチャージングを奪ったもの。倒れたままのジョーダンに、コビーが笑いながらパンチを繰り出す微笑ましい光景も見られた。
レイカーズは20点の大量リードで、コビー本人も「今日の仕事は終わったと思っていた」のだが、ジャクソンは第4クォーターに再びコビーを投入する。ウィザーズの追い上げもあったが、ブルズ時代にジョーダンの師だったジャクソンが、後継者をいま1度同じ舞台に立たせようと考えたとも解釈できる。結局この日のコビーは、当時の自己記録にあと2点と迫る55得点。「彼に対する敬意を示すのには、あれが最高の方法だった」と後年、彼は語っていた。
「彼は私に似ている」。23得点をあげたジョーダンは、コビーについてこのように語った。「彼は『エア・ジョーダン』を履きたがらない。自分自身の名声を確立したいと考えている」。
それはジョーダン2世に甘んじるのではなく、自らが他のプレーヤーの憧れである“コビー1世”になりたいということ。ジョーダンがまさにそういったタイプの選手であった。体型やプレースタイルが似ているだけではなく、何よりもその心意気こそが後継者たるにふさわしいと、ジョーダンに確信させた一戦だった。
文●出野哲也
※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正
【PHOTO】「Mr.レイカーズ」&「Mr.NBA」史上最高のスーパースター、コビー・ブライアント特集
レイカーズは20点の大量リードで、コビー本人も「今日の仕事は終わったと思っていた」のだが、ジャクソンは第4クォーターに再びコビーを投入する。ウィザーズの追い上げもあったが、ブルズ時代にジョーダンの師だったジャクソンが、後継者をいま1度同じ舞台に立たせようと考えたとも解釈できる。結局この日のコビーは、当時の自己記録にあと2点と迫る55得点。「彼に対する敬意を示すのには、あれが最高の方法だった」と後年、彼は語っていた。
「彼は私に似ている」。23得点をあげたジョーダンは、コビーについてこのように語った。「彼は『エア・ジョーダン』を履きたがらない。自分自身の名声を確立したいと考えている」。
それはジョーダン2世に甘んじるのではなく、自らが他のプレーヤーの憧れである“コビー1世”になりたいということ。ジョーダンがまさにそういったタイプの選手であった。体型やプレースタイルが似ているだけではなく、何よりもその心意気こそが後継者たるにふさわしいと、ジョーダンに確信させた一戦だった。
文●出野哲也
※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正
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