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NBA

ジョーダンとの“最後の対決”で圧巻の55得点!後継者たる理由を示した一戦【コビー・ブライアント名勝負:Part.7】〈DUNKSHOOT〉

出野哲也

2021.01.27

試合開始から面白いように点を重ね、前半だけで8本の3ポイントを含む42得点を荒稼ぎ。実力を遺憾なく見せつけ、神に引導を渡した。(C)Getty Images

試合開始から面白いように点を重ね、前半だけで8本の3ポイントを含む42得点を荒稼ぎ。実力を遺憾なく見せつけ、神に引導を渡した。(C)Getty Images

 しかしながら後半は一転してシュートが入らなくなり、第3クォーター終了間際に4つ目のファウルを犯してベンチに下がる。そのファウルは、ジョーダンがコビーからチャージングを奪ったもの。倒れたままのジョーダンに、コビーが笑いながらパンチを繰り出す微笑ましい光景も見られた。

 レイカーズは20点の大量リードで、コビー本人も「今日の仕事は終わったと思っていた」のだが、ジャクソンは第4クォーターに再びコビーを投入する。ウィザーズの追い上げもあったが、ブルズ時代にジョーダンの師だったジャクソンが、後継者をいま1度同じ舞台に立たせようと考えたとも解釈できる。結局この日のコビーは、当時の自己記録にあと2点と迫る55得点。「彼に対する敬意を示すのには、あれが最高の方法だった」と後年、彼は語っていた。
 
「彼は私に似ている」。23得点をあげたジョーダンは、コビーについてこのように語った。「彼は『エア・ジョーダン』を履きたがらない。自分自身の名声を確立したいと考えている」。 

 それはジョーダン2世に甘んじるのではなく、自らが他のプレーヤーの憧れである“コビー1世”になりたいということ。ジョーダンがまさにそういったタイプの選手であった。体型やプレースタイルが似ているだけではなく、何よりもその心意気こそが後継者たるにふさわしいと、ジョーダンに確信させた一戦だった。 

文●出野哲也

※ダンクシュート『コビー・ブライアント追悼号』原稿に加筆・修正

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