とはいえ、NBAの厳しい生存競争を勝ち抜くには、目に見える数字(スタッツ)も必要だ。今季の渡邊に与えられた課題は、シュートの成功率。今年のワールドカップでは日本代表の軸としてチームトップの得点をマークしたが、グリズリーズでは脇役の1人に過ぎない。渡邊には少ないチャンスで、しっかりシュートを決め切ることが重要になる。
特にカギを握るのが3ポイントシュートで、昨季の成功率はわずか12.5%(16本中2本)、Gリーグでも33.3%(122本中41本)に過ぎなかった。さらに3ポイントラインがNBAより短いジョージ・ワシントン大時代も4年時の36.4%(154本中56本)が自己ベストだった。
昨季、ラプターズの優勝に貢献したダニー・グリーン(現レイカーズ)や、強豪ロケッツを陰で支えるPJ・タッカーのような優秀な3&D(3ポイントとディフェンスが得意な選手)になるためには、成功率を4割まで向上させたいところだ。
3ポイントの精度が上がれば、相手のディフェンスも対策が必要になり、よりゴール下へアタックしやすくなる。また、相手に警戒されるようになれば、チームメイトのスペースを作り出す助けになるだろう。
現時点では、本契約を結べるのか楽観できる状況ではないが、決して絶望的なわけでもない。再びNBAでプレーできるチャンスは巡ってくるはずで、今は来るべき勝負の時に備え、地道にレベルアップを図る時だ。渡邊がしっかりとチャンスをものにする姿を楽しみに待ちたい。
文●鈴木栄一
特にカギを握るのが3ポイントシュートで、昨季の成功率はわずか12.5%(16本中2本)、Gリーグでも33.3%(122本中41本)に過ぎなかった。さらに3ポイントラインがNBAより短いジョージ・ワシントン大時代も4年時の36.4%(154本中56本)が自己ベストだった。
昨季、ラプターズの優勝に貢献したダニー・グリーン(現レイカーズ)や、強豪ロケッツを陰で支えるPJ・タッカーのような優秀な3&D(3ポイントとディフェンスが得意な選手)になるためには、成功率を4割まで向上させたいところだ。
3ポイントの精度が上がれば、相手のディフェンスも対策が必要になり、よりゴール下へアタックしやすくなる。また、相手に警戒されるようになれば、チームメイトのスペースを作り出す助けになるだろう。
現時点では、本契約を結べるのか楽観できる状況ではないが、決して絶望的なわけでもない。再びNBAでプレーできるチャンスは巡ってくるはずで、今は来るべき勝負の時に備え、地道にレベルアップを図る時だ。渡邊がしっかりとチャンスをものにする姿を楽しみに待ちたい。
文●鈴木栄一