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東京五輪

東京五輪女子バスケの組分けが決定!日本は“死のグループ”入り、同組で台風の目となりそうなのは〈DUNKSHOOT〉

小川由紀子

2021.02.08

 フランス代表のヴァレリー・ガルニエHCはというと、日本と対戦する初戦が最重要マッチになると見ている。フランスがアメリカと当たるのは最後の3戦目。そこまでに決勝トーナメント進出を決めておきたい、というのが指揮官の青写真だ。

 そして、このグループで台風の目となりそうなのがナイジェリアである。

 昨年2月、セルビアのベオグラードで行なわれた五輪最終予選で、ナイジェリアはリードされることすら滅多にないという無敵のアメリカに、最大16点のリードをつけた。最終クォーターで世界女王が意地を見せて5点差で逆転勝ちしたが、時間的にもコンディション面でも格段に限られた環境で準備してきたナイジェリアが、アメリカを苦しめたのはセンセーショナルだった。
 
 ナイジェリアの武器は、オフェンスもディフェンスも超ハイペースなゲーム展開と、カウンター攻撃を確実に得点につなげられるシューターがいること。この最終予選で彼女たちは、欧州きっての強豪セルビアからも前半に大量リードを奪ったが、これはハイスピードでプレスをかけて攻撃のリズムを乱してくる相手の作戦にハマり、とにかく決めなければと焦れば焦るほどフォームを崩して、イージーバスケットさえ入らなくなるというセルビアの自滅的な展開だった。日本代表にとっても警戒が必要なポイントだ。

 一方で、アメリカ戦もセルビア戦もナイジェリアが勝ちきれなかったのは“試合運び”といった経験の差が大きかった。この大会は“いかに勝ち切るか”ということを学ぶための格好の訓練となったはず。逆にこのあたりが熟成されれば、どんどん開花しそうなポテンシャルをナイジェリアは秘めている。

 そして、サクラメント・キングスでアシスタントコーチを務めた経験もあるオーティス・ヒューリーJr. HCは、究極のモチベーターだ。現在、アメリカのアトランタに16人の代表メンバーを集めて短期合宿を行なっているが、全選手が世界各国のリーグに散らばっているため、次に集合できるのはおそらく大会直前と、機会は限られている。しかしそのなかで「できる限り最高の準備をする」とヒューリーHCは手応えありげだ。
 
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