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NBA

ここ数試合の不振から脱却した八村。指揮官が提示した、さらなる飛躍のための「ふたつのやるべきこと」〈DUNKSHOOT〉

秋山裕之

2021.03.15

 しかし、大事な第4クォーターでの得点はゼロ。接戦の展開のなか、残り約2分にはミドルトンのディフェンスの前にベースラインジャンパーを打たされ、タイムアウト明けの残り7.6秒に放ったトップ・オブ・ザ・キーからの3ポイントもミスしてしまい、勝利へと導くには至らなかった。

 最終的には38分20秒のプレータイムで29得点、11リバウンド、1アシスト、3スティールをマーク。フィールドゴール11/18(61.1%)、3ポイント3/5(60.0%)、フリースローは4本放ってすべて成功と高確率でショットを沈めた。

 さらにディフェンスでもアデトクンボやミドルトンをノーファウルで阻止し、ボビー・ポーティスにも好守を披露。ドンテ・ディヴィンチェンゾのショットに反応してジャンプボールに持ち込み、ウィザーズボールにするなど守備でも見せ場を作った。
 
「ルイは今日、フィジカルに戦わなければいけない。ヤニスは怪物だ。たった2、3回のドリブルでフルコートを走れる。3ポイントラインでボールを拾って、ユーロステップからリムへ一気に到達できるんだ。ルイだけでなく、チームが束になってヤニスを止めないといけない。1人では止められない」

 試合前にスコット・ブルックス・ヘッドコーチ(HC)がそう話していたように、八村はアデトクンボにスクリーンでマークを剥がされ豪快なダンクを浴びた場面もあったが、しっかりとマッチアップした際にはパスアウトさせたり、ディフレクションするなど奮戦。しかし、終わってみればアデトクンボに33得点、11リバウンド、11アシストと、トリプルダブルの活躍を許してしまった。

 ただ、試合前に指揮官が話していた「ルイはここ5試合くらい、不調が続いている。若手に限らず、どんな選手にも5、6試合は不調になる期間はある。当然、そこまで長引いてほしくはないし、今すぐにでも調子を取り戻してほしいが、大事なのはとにかくエナジー全開でやること。ディフェンス面では向上してきたが、成長の余地はまだまだたくさんある。昨日(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦)のリバウンド数ゼロは、本来の彼の姿ではない」という不調状態からは脱却したと言っていいだろう。
 
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