「両腕が疲れるまで、何度も繰り返してショットを打った。次の日もフロアに立ち、同じことをやったんだ」というステフは、「父さんがNBA史上ベストなシューターのひとりで良かったよ。彼が僕のフォーム改造を助けてくれたんだ」と父への感謝を忘れない。

　父親との特訓でクイックリリースを身につけたステフは、リーグ屈指の早業にもかかわらず、３ポイントのキャリア通算成功率は43.4％（歴代６位）と高水準。その秘訣について本人はこう話す。
  「基本が大事。良いバランスを保つことだね。多くの人たちは手にフォーカスしている。でもまずは土台となる自分の足元から始まるんだ。そこでバランスを取って、しっかりとフォロースルーをすること。それを毎回、同じやり方で打てるようにトライするんだ。ベストシューターというのは、常に同じ視点でバスケットを見ているものさ」

　レギュラーシーズンにおける３ポイント成功数（2757本）で歴代２位につけるステフは、来シーズンにもレイ・アレンの2973本を抜き、リーグ記録を更新することが確実視されている。

　NBAに３ポイント全盛を持ち込んだ稀代のゲームチェンジャー、ステフィン・カリー。この男が健在な限り、３ポイントに関する新たな記録は今後も量産され続けるに違いない。

文●秋山裕之（フリーライター）

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