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NBA

「ゆっくり時間をかけて、足をセットして…」3ポイントに開眼しつつあるハワード。その秘訣は練習方法にアリ?<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.05.10

 トレンドが大きく変化した現代NBAのなかで、35歳のベテランビッグマンは3ポイントについてこう話す。

「俺はこれまでも練習はしてきた。でも多くのチームで、自分の役割というのは(ピック&ロールから)リングへと向かっていき、オフェンシブ・リバウンドを奪うこと。それらをキャリアを通じて凄く効果的にこなしてきたと思っている。だけど3ポイントも練習してきたから、このチームのために、勝利に必要であれば(3ポイントを)沈めることができると信じているよ。コーチが俺に、外へ出て3ポイントを放つ機会を与えてくれるなら、それを決めてみせるさ」
 
 とはいえ、ハワードがプレーオフに入ってから突如ダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス)のように、3ポイントを難なく決めてくることはないだろう。それでも、ハワードが3ポイントラインでポジショニングすることで、シクサーズはシモンズやシェイク・ミルトン、マキシーといったガード陣がドライブでペイントエリアを切り崩すスペースを作り出すことができ、より効果的なオフェンスを展開できるはずだ。

「俺とポール・リードは今、ジムでシューティングに時間をかけている。『ドワイト、どうしてそんなにゆっくりシュートするの?』と聞かれるけど、俺は『いいか。ゲームのなかで俺に3ポイントを打つチャンスが回ってきても、相手は急いで防ごうとしないんだ』と返している。俺は今、ゆっくりと時間をかけて、足をセットしてきっちり決めようとしているのさ」

 2001年以来のNBAファイナル進出、そして1983年以来の王座獲得を目指すシクサーズ。このチームの主軸はエンビードとシモンズ、そしてハリスやセス・カリーといった選手たちだが、長丁場のプレーオフにおいて、ひとつのシリーズ、あるいはそのなかの1試合だけでも、ハワードのような予想外の選手が3ポイントを決めれば、チームは勢いづくだろう。ポストシーズンでは、この男が繰り出す長距離砲にも注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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