「彼にはピック＆ロールでフロアのスペースを広げる能力があり、５番（センター）がついていればピック＆ポップで外から決め切る多才さもある。コート上でどんな選手がついているのかを把握し、自身のアドバンテージをうまく生かしているよ」

　コリンズ自身も、抜群の連係プレーを見せているヤングとの相性について手応えを感じている。

「トレイとプレーするのは大好きだね。いつも言っていることだけど、俺たちのゲームはまるでパズルのピースみたいなものなのさ。彼はプレーをクリエイトしてチームメイトたちを見つけるのがすごく上手い。そして、俺は彼が作り上げたプレーを最高の形でフィニッシュできるんだ。そう、俺たちは見事なコンボになっているということさ」
  　今季終了後、制限付きフリーエージェントとして大型契約を結ぶことが予想されているコリンズは、ヤングと比較するとスポットライトを浴びる機会が少なく、成績も劣っていることは否めない。

　それでも、リング下のフィニッシュだけでなく、バックスとの初戦では終盤に貴重な３ポイントを決めるなど、攻撃の多彩さは誰もが認めるところ。肉弾戦を制し、オフェンシブ・リバウンドをもぎ取るなど、泥臭いプレーでチームに貢献している点も見逃せない。

「ああいった泥臭いプレーが勝利へ結びつけるんだ。オープンショットを決めたり、誰かの上からダンクするのはもちろん大好きだ。でも（オフェンシブ・リバウンドで）チームに新たなポゼッションをもたらすこともすごく大事。結局のところ、チームが勝利するのに貢献できれば俺は最高に嬉しいのさ」

　一躍シンデレラチームとなったホークスで奮闘を続けるコリンズ。バックスとのシリーズはまだまだ続くだけに、引き続き攻守両面でチームを支えるプレーを期待したいところだ。

文●秋山裕之（フリーライター）