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NBA

絶対王者ウォリアーズの衰退で、LAの2チームがウエストの主役に名乗り!【NBAカンファレンス展望】

出野哲也

2019.11.09

ロケッツは大黒柱のハーデン(右)と新加入のウエストブルック(左)のコンビネーションが上位進出の最大のカギに。(C)Getty Images

ロケッツは大黒柱のハーデン(右)と新加入のウエストブルック(左)のコンビネーションが上位進出の最大のカギに。(C)Getty Images

 補強がハマった時の爆発力という点では、ロケッツはレイカーズ以上だ。

 ジョージのトレードにより、サンダーで宙ぶらりん状態になったラッセル・ウエストブルックを獲得。空前絶後の3年連続年間トリプルダブルを達成したスーパースターが、こちらも50得点でのトリプルダブルを年間2度達成するという破天荒な記録を打ち立てたジェームズ・ハーデンとタッグを組むのだから、楽しみでないわけがない。


 ウエストブルックも「俺たちのペアリングは他球団にとって恐怖でしかないだろう」と自信満々だが、この2人はいずれも自分がボールをコントロールする時に持ち味が最大に発揮されるタイプ。同時にコートに立っていると良さが相殺されかねないとも指摘されている。クリッパーズの対抗馬最有力となる可能性もある一方で、空転に終わる危険性も同居している。

 ロケッツとは対照的な補強だったのはジャズ。グリズリーズからトレードで獲得した新司令塔のマイク・コンリー、ペイサーズからFAで移ってきたボーヤン・ボグダノビッチは、いずれも世間を騒がせるようなビッグネームではない。それでもPGとロングシューターという2つの弱点を埋めるだけでなく、ドノバン・ミッチェルの力量を今以上に引き出すことにもつながる的確な補強だった。もともと守備力に関してはリーグ有数でもあり、高い確率で上位進出が見込まれる。
 
 ニコラ・ヨキッチの大活躍で昨季はカンファレンス2位まで躍進したナゲッツは、ポール・ミルサップら自軍のFAとの再契約を優先し、それほど大掛かりな補強は施さなかった。3位のブレイザーズもハッサン・ホワイトサイドを獲得したものの、エネス・カンターの退団を埋め合わせただけ。デイミアン・リラードとCJ・マッカラムのバックコート・コンビが中心であるのは変わらない。両球団とも変革よりも安定を求めたと言え、他球団に比べるといささか消極的にも見えるが、少なくともプレーオフ進出は堅いだろう。

 プレーオフの残るひとつの椅子は、スパーズ、ペリカンズ、ウルブズ、キングスが争うと予想する。
 
 なかでもペリカンズは、大黒柱のデイビスをレイカーズへトレードしながらも、交換でブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、ジョシュ・ハートと優秀な若手3人を手に入れ、さらにドラフト1位で大器ザイオン・ウィリアムソンまで加入させた。プレシーズンで圧巻のプレーを見せたザイオンはケガで開幕からしばらく欠場することもあって、いきなり上位を窺うまではいかないとしても、このメンバーがポテンシャルをフルに発揮できたとしたら、相当侮りがたい存在になる。
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