当のカリーは今年５月にヒューストンを訪れた際、サイラスについてこう話していた。

「コーチ・サイラスは、いつだって僕の記憶の中でいい印象なんだ。僕がまだルーキーだった頃、一緒になってたくさんの映像を観たんだ。彼は僕がプロとしてどう成長していくべきか、ポイントガードとしてゲームをどう見ていくべきかを理解するのを助けてくれた。とても堅実な人さ。何でもストレートに言ってくれるし、親しみやすいんだ。彼のお陰で気軽に質問できたし、学びやすくもしてくれた。そして僕の背中を押してくれたんだ」
  　ルーキー時代に親身になって教えてくれた恩人がＮＢＡチームの指揮官になったことで、カリーは「彼のことを応援している。（ロケッツの）風向きが変わるといいね」とも話していた。

　就任１シーズン目はさまざまな障害やアクシデントに見舞われて悔しい戦績となったが、サイラスＨＣのコーチングキャリアは今後も続く。今季以降に挽回すべく、虎視眈々と準備を進めているだろう。

文●秋山裕之（フリーライター）