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NBA

一般客に混じり試合観戦、街中での“神対応”…“気さくなスーパースター”アデトクンボが話題に<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.09.27

 フランス入りする前は「優勝したら招待する」という約束通り、ミルウォーキー・バックスのチームメイトたちを招いてキプロス島でバカンスを楽しんだというヤニス。故郷のギリシャでは、生まれ育った町を訪れたほか、同国のレジェンドであるニコス・ガリスと対面したり、首相やカテリナ・サケラロプル大統領も同席した、母親と弟のアレックスにギリシャの市民権を授与するセレモニーにも出席した。

 ちなみにニコス・ガリスは、1980~90年代前半にかけて大活躍したアメリカ生まれのギリシャ人シューティングガードで、キャリア通算のクラブ平均得点が33.6点、代表でも30.6点という、とんでもないスコアラー型シューターだった。2007年にFIBAの初代殿堂入りを果たし、2017年にはNBAでプレー経験がないアメリカ国外選手では極稀なバスケットボール殿堂入りも果たしている。2004年のアテネ五輪では、聖火台に点灯するランナーの1人にも選ばれたほどの、同国を代表するアスリートだ。

 そして1994年生まれのヤニスは、ちょうどガリスが現役引退した年に生まれた。
 
「彼のおかげでギリシャで多くの人がバスケットボールに目覚めた。彼の瞳には炎が宿っていたよ」

 大先輩との対面に興奮した様子のヤニスは、兄のタナシス、そしてもう1人のギリシャのレジェンド、テオドロス・パパルーカスと、NBA優勝トロフィーを囲んだ超豪華4ショットをインスタグラムに投稿している。

 ギリシャ国民であることを誇りに思い、強い故郷愛を抱いているヤニスは、ギリシャ代表での成功を目標に掲げている。来年開催されるユーロバスケット(9月1~18日、チェコ、ジョージア、ミラノ、ドイツで共同開催)出場に、今から意欲を燃やしているそうだ。

「自分をMVPやチャンピオンとは呼ばないでほしい」と語る彼は、本心から、まだまだ自分は成長過程でもがく挑戦者だと思っている。どんな田舎町のアリーナであっても、関係者のための特別席はあるものだが、そういった場所ではなく、一般客に混ざって楽しく観戦するような彼の行動にも、そんな地に足のついた彼の人間性が現れている。

 それに、アデトクンボ兄弟は本当に仲がいい。4兄弟の何人がロースター入りするかはわからないが、来年のユーロバスケットのギリシャ代表が今から楽しみだ。

 故郷で英気を養った彼は、ミルウォーキーに戻り、NBAでの新シーズンに向けたトレーニングキャンプへと突入する。

文●小川由紀子

【PHOTO】並外れた身体能力とド迫力のダンクでスター街道を驀進!“グリーク・フリーク”ヤニス・アデトクンボの厳選ショット集!
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