「（ＮＢＡの）ゲームは進化した。俺はこれまで、様々なスキーム（仕組み）や戦術と向き合ってプレーしてきた。俺はゲームがどこへ向かおうとしているのか、コーチたちがどんなことをしようとしているのかを追いかけながらやってきたんだ。それはまさに自分の進歩だと思うね」

　デュラントのルーキーシーズン（07－08）、リーグの48分間あたりのポゼッション数を指すペースは92.4だった。だが昨季は99.2まで跳ね上がっていることからも、ゲームが変化していることは明らかだ。

　だがＮＢＡのプレーオフを何度も勝ち上がり、国際大会でも頂点に立ってきた男は意に介さない。
  「俺がリーグ入りした時はスローなペースだったけど、今ではスピーディーかつ３ポイントを狙うスタイルになっている。俺はその変化にもアジャストしてきた。この次にどんなことが起ころうと、俺は適応してみせるよ」

　そして今季に自身３度目のＮＢＡ王座を目指すデュラントは「一日一日、俺は成長することができている。たぶん、俺は自分の中で（ゲームの変化を）簡易化してきたんだと思う。そして外野で何が起きていようと追いかけず、フロアで自分がベストになれるようにやってきたのさ」と自信を覗かせていた。

　33歳にして将来の殿堂入りが確実視されているスーパースターは、さらなる高みへ向かおうとしている。

文●秋山裕之（フリーライター）

【PHOTO】近年最高の”天才スコアラー”！ケビン・デュラントの厳選ショット！