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NBA

NBAの洗礼を浴びる八村塁。活躍のカギはファウルの使い方にあり!

秋山裕之

2019.11.07

ゴンザガ大の先輩サボニス(右)に果敢に勝負を挑むも、経験の差を見せつけられる結果に。(C)Getty Images

ゴンザガ大の先輩サボニス(右)に果敢に勝負を挑むも、経験の差を見せつけられる結果に。(C)Getty Images

 八村も依然として調子が上がらず、残り8分13秒にはタイムアウト明けのポゼッションでブラッドリー・ビールとの2メンゲームから攻め込むもトラベリング。普段なら決めているであろうミドルレンジジャンパーもリングに嫌われるなど、なかなか波に乗れない。

 残り6分40秒。相手の速攻に対し、八村は手を上げて応戦するも、サンプソンにあっさりとかわされて失点。この得点でペイサーズのリードは21点となり、直後のタイムアウトで八村はベンチへと退いた。

 その後、最大25点差をつけられたウィザーズは一時10点差まで追い上げるも、形勢を逆転するまでには至らず、最後は106-121で敗れた。

 第4クォーターをベンチから見守った八村は、最終的に20分50秒の出場でキャリア初の無得点。リバウンドはチーム2位の8本を記録したものの、フィールドゴール0/5、3ポイント0/1でフリースローは試投ゼロ、出場時間帯における得失点差は両チームワーストの-19と攻守で精彩を欠いた。
 
 デビューからの7戦でワースト級の内容に終わった八村だが、オフェンス面でシュートタッチが良くなかった点が最後まで響く結果となった。だがそれ以上に、相手の守備陣が八村のショットに対してしっかりと手を伸ばしてコンテストし、気持ちよく打たせなかったことがリズムを狂わせることへとつながった。今後も厳しいチェックが予想される中、いかに積極性を失わずにリングへアタックできるかは大きな課題と言えるだろう。

 守備面では、ファウルトラブルに苦しんだ前回のデトロイト・ピストンズ戦の反省を生かし、ファウルをゼロに抑えたが、その一方でマッチアップ相手をリズムに乗せてしまったことも事実。ファウルをせずに相手をシャットアウトし、失点を防ぐことができれば理想だが、NBAのレギュラークラスを相手にルーキーがそう簡単に為せることではない。

 八村がチームプレーを重視し、チームプレーヤーとして評価されていることは称賛に値するが、個人のマッチアップを制し、安定して活躍を続けていくためには、試合の中でファウルを有効に使っていくことが今後のカギとなりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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