ハーダウェイは強気に語ったが、そんな楽観的な見方を裏切ったのは、ハーダウェイ自身の身体だった。日本で開幕戦を行なった直後に、痛めていた左ヒザを手術。これが原因となって持ち味のスピードと瞬発力が失われてしまい、成績は下降線を描き始めた。
ヒザの痛みは何度もぶり返し、そのたびにプレーの切れ味は失われた。思うようなプレーができない苛立ちもあったのか、自分本位な行動や発言も目立ち始める。1997年にブライアン・ヒルがHC(ヘッドコーチ)を解任された際には、その首謀者としてメディアやファンから非難された。
チームから完全に浮き上がったハーダウェイは、1998-99シーズン終了後、とうとうマジックから放出される。移籍先のフェニックス・サンズでも、時折全盛期を思わせるようなプレーも見せたが長続きせず、いつしか過去の人となってしまった。
2003-04シーズンから3年間はニューヨーク・ニックスに在籍。1年間のブランクを経て、2007-08シーズンはマイアミ・ヒートと契約を結んだ。
ヒートへ移籍していたシャックとのコンビ再結成はオールドファンに期待を持たせたが、すでに往年の力は残っておらず。12月には解雇通告を受け、NBAでの選手生活に正式にピリオドが打たれた。
その後ミドルスクールのコーチを経て、2018年からは母校メンフィス大の指揮官に就任。ジェームズ・ワイズマン(ウォリアーズ)やプレシャス・アチウワ(トロント・ラプターズ)らをNBAへ送り出している。
平均15.2点、5.0アシストの生涯成績からは、ハーダウェイが“ポスト・ジョーダン”候補の一番手だったことを読み取るのは難しい。仮にヒザの故障がなかったとしても、ジョーダンの領域にまで迫ることは、おそらくなかっただろう。
それでも短い期間だったとはいえ、彼が残した印象は鮮烈だった。マジックやジョーダンの後継者にはなれなかったが、彼のプレーをしっかりと記憶に刻みつけているファンの数は、決して少なくない。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2009年9月号原稿に加筆・修正
【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!
ヒザの痛みは何度もぶり返し、そのたびにプレーの切れ味は失われた。思うようなプレーができない苛立ちもあったのか、自分本位な行動や発言も目立ち始める。1997年にブライアン・ヒルがHC(ヘッドコーチ)を解任された際には、その首謀者としてメディアやファンから非難された。
チームから完全に浮き上がったハーダウェイは、1998-99シーズン終了後、とうとうマジックから放出される。移籍先のフェニックス・サンズでも、時折全盛期を思わせるようなプレーも見せたが長続きせず、いつしか過去の人となってしまった。
2003-04シーズンから3年間はニューヨーク・ニックスに在籍。1年間のブランクを経て、2007-08シーズンはマイアミ・ヒートと契約を結んだ。
ヒートへ移籍していたシャックとのコンビ再結成はオールドファンに期待を持たせたが、すでに往年の力は残っておらず。12月には解雇通告を受け、NBAでの選手生活に正式にピリオドが打たれた。
その後ミドルスクールのコーチを経て、2018年からは母校メンフィス大の指揮官に就任。ジェームズ・ワイズマン(ウォリアーズ)やプレシャス・アチウワ(トロント・ラプターズ)らをNBAへ送り出している。
平均15.2点、5.0アシストの生涯成績からは、ハーダウェイが“ポスト・ジョーダン”候補の一番手だったことを読み取るのは難しい。仮にヒザの故障がなかったとしても、ジョーダンの領域にまで迫ることは、おそらくなかっただろう。
それでも短い期間だったとはいえ、彼が残した印象は鮮烈だった。マジックやジョーダンの後継者にはなれなかったが、彼のプレーをしっかりと記憶に刻みつけているファンの数は、決して少なくない。
文●出野哲也
※『ダンクシュート』2009年9月号原稿に加筆・修正
【PHOTO】オラジュワン、ジョーダン、バークレー、ペニー……NBAの歴史を彩った偉大なレジェンド特集!
関連記事
- アンファニー“ペニー”ハーダウェイ——1990年代のリーグで一際眩い輝きを放った“マジック二世”【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>
- 1980年代後半の世界最高センターはアマチュア選手。“ドリームチームの生みの親”アルビダス・サボニス【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>
- カール・マローン――“メールマン”と呼ばれたスコアリングマシンの知られざる物語【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>
- 早熟の天才ドミニク・ウィルキンス。ジョーダン、バードの好敵手だった名ダンカーの物語【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>
- 愛称は“おばあちゃん”。ダラスの不良少年だったラリー・ジョンソンがNBAスターになるまで【レジェンド列伝・前編】<DUNKSHOOT>