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NBA

レブロンも絶賛する昨季新人王バーンズ。オールスター級への軌跡を歩む俊英の“手応えと課題”とは<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.08.08

 この発言からも伺える彼の聡明さは、レブロンも前述の対戦後「競争心のある選手や勝利への執念を持った選手は大勢いるが、スコッティ・バーンズについて特筆すべきは、それを実現するためのバスケットボールIQを持っているということだ」と指摘している。

 同時に、バーンズは1年目で浮き彫りになった課題も挙げている。

「シーズンの最初の頃は、とにかくエネルギッシュさを発揮していた。でも、あまりに出しすぎると、次のポゼッションでガス欠になってしまったんだ。大学時代は3、4分いいプレーをしたら交代して、という感じだった。でも今は、ゲームを通してエネルギーをキープできるような出し方が必要だと学んだよ」
 
 彼の爆発力はチーム全体のリズムを上げることにもつながっていたが、本人は“出力”のバランスについて工夫する必要があると感じていたようだ。

 このオフは故郷のフロリダとトロントを行ったり来たりしながら、よりシュートレンジを広げ、なおかつ安定してショットを決められる、相手にとって“アンストッパブル”なオールラウンダーになるべくトレーニングを積んでいるという。

 ところで、冒頭に挙げたスタッダマイアーとは、現在彼がボストン・セルティックスのアシスタントコーチを務めていることもあり、昨年11月のセルティックス戦の前日、市内のデパートで買い物中に偶然出くわすという運命的な出来事があった。

 その時、ラプターズの初代新人王はバーンズに「ルーキー・オブ・ザ・イヤーを狙え!」と真剣に説いたのだという。高校の頃からバーンズを観察していたというスタッダマイアーは、自分がルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した年にはまだこの世に生を受けていない後輩に「自分のやるべきことをしっかりやり続けて、いつかこのリーグを制圧するんだ」と熱く語ったそうだ。
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