新型コロナウィルスの感染拡大で活動が中断していた間に急激に身長が伸び、現在は201cm。加えて約220cmとうい長いウイングスパンも大きな武器だ。対人ディフェンスに優れ、シューターとマッチアップすれば、機敏な動きで相手をミスショットに誘い込む。

　ゲームの流れを見ながら、的確なスペースを見つける読みも鋭い。天性の運動能力や反射神経も抜群で、伸びやかなジャンプからの強烈ダンクも一線級。ロングショットも打てるが、３ポイントシュートとフリースローの成功率向上は今後の課題、といったところか。

　今季はユースリーグで16試合に出場し、平均21.9点、6.4リバウンド、2.6スティールを記録。プロリーグでは、平均して17分ほど出場したレギュラーシーズンで4.9点だったのに対し、プレーオフに入ってからはここまでの５試合すべてに先発して、平均25分のプレータイムで7.8点、3.8リバウンドを記録している。

　彼のゲームへの貢献は、数字に表れないオフ・ザ・ボール時こそ効果的だったりする面もあるため、実際にはこのスタッツから受ける印象以上にインパクトのある選手だ。
  　現在進行中のフランス・プロリーグのセミファイナルにおいて、メッツ92は国内３連覇中の王者で、トニー・パーカーが会長、弟のＴＪがヘッドコーチを務めるアスベルと対戦中。５月30日に行なわれた第２戦では、クリバリはウェンバンヤマに次ぐ約34分間コートに立ち、15得点、５リバウンドをあげ、ドラ１候補と同じ評価点「14」という活躍で２連勝に貢献した。

　この試合のファインプレーは、最終クォーター終盤のスティール。一時16点をリードしていたメッツ92は終盤、１ゴール差まで追い上げられていたが、彼のスティールでボールを奪ってから貴重な２点を追加。このワンプレーが、相手の勢いに歯止めをかけた。

　最終的に３点差で逃げ切った展開を振り返り、コレHCもクリバリのスティールからの得点がこの試合の「勝負どころ」だったと試合後にコメントしている。

「シーズンの最初の頃は、彼を国内トップリーグのプレーオフのセミファイナルで34分も使うことになるなんて、我々コーチ陣の誰も予想だにしていなかった。しかし私は、彼のプレーに絶対の自信を持っている」