2023年のNBAドラフトで全体１位指名が確実視されている逸材、ヴィクター・ウェンバンヤマ。221㎝のサイズに優れたスキル、シュート力、ディフェンス力、さらには高い身体能力まで兼備するフランス出身の18歳が、来季のNBAに旋風を巻き起こすことはほぼ間違いないだろう。

　無限大の才能を秘めた若きビッグマンは、選手として将来的にどれほどのレベルにまで達することができるのか。複数のNBA選手を顧客に抱えるあるエージェントは、もしウェンバンヤマが健康体を保つことができれば、マイケル・ジョーダン（元シカゴ・ブルズほか）やレブロン・ジェームズ（ロサンゼルス・レイカーズ）を超え、リーグ史上最高のプレーヤー、いわゆる“G.O.A.T.”になるだろうと主張している。

「ケガさえしなければ、ウェンバンヤマは史上最高の選手になるだろう。彼は（現在プレーするフランスの）リーグで最高のプレーヤーであり、彼が今対戦している選手のレベルは、Pac-12（カレッジバスケットボールのカンファレンスのひとつ）最高の選手、カレッジ最高の選手、NBA入りできるかのボーダーラインにいる選手と同等だ。そして彼は（リーグを）支配している。支配しているんだ。

　ウェンバンヤマはすごく細いから、人々は彼の身体能力を過小評価すると思う。彼のフィジカルは強いよ。NBAが開幕したら、彼はアンストッパブルな、誰にも止められない存在になるだろう。初日から最高のリムプロテクターになり、またオフェンス面でも効率的でアンストッパブルなプレーを披露するはずだ」
  　確かに、このエージェントの言う通り、故障さえなければウェンバンヤマがNBAを支配する日が来ても不思議はない。ジョーダンやレブロンを超える可能性も、簡単に否定はできないはずだ。

　ただ、この“故障さえなければ”というのが、NBAでは最も難しい部分でもある。過去に何人ものスター候補生がケガに泣いてきたし、歴代のドラ１ビッグマンで言えば、ヤオ・ミン（元ヒューストン・ロケッツ）やラルフ・サンプソン（元ロケッツほか）、グレッグ・オーデン（元ポートランド・トレイルブレイザーズほか）といった面々が、度重なる故障により不発、あるいは短命のキャリアに終わってきた。

　はたしてウェンバンヤマは、健康体を保ち“G.O.A.T.”となることができるか？今からその期待は増すばかりだ。

構成●ダンクシュート編集部

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