「だから自分に特化した準備や対策が必要なんだ。運任せにすることはできない。過負荷は本当に危険だし、ケガをするリスクもある。W杯に出場して、オリンピックまでプレーするとなると、24か月で170試合、休みなしでプレーすることになる。自分の成長という意味でも現実的ではないし、健康面にとっても賢明なことではない」
彼が最も躊躇したのは、パリ五輪の金メダル獲得を目標とするフランス代表にとって、そのためのチーム作りが今年のW杯から始まる点だ。そんな機会を逃すことは“出遅れる”ことを意味する。それだけにコレHCも、ウェンバンヤマがこの夏から代表に合流することを強く希望していたのだ。
「出遅れるのは間違いない。それでも、将来的に出場不能になるよりずっといい。いかに早くチームに順応する準備ができているかをみんなに示せるかは僕次第だ。彼ら(フランス代表)とともに可能な限り多くのタイトルを獲得したい。でもそのために、この夏は必要な犠牲なんだ」
ウェンバンヤマは昨年11月のW杯予選で初めてA代表でプレーし、デビュー戦のリトアニア戦で20得点、ゲームハイの9リバウンドをマークして90-65の大勝に貢献、そして次のボスニア・ヘルツェゴビナ戦と、2月の2試合(対チェコ、対リトアニア)の3戦ではすべてチームハイの得点を叩き出している。
予選のメンバーと本戦のメンバーは8割方異なるが、ウェンバンヤマが来年のオリンピック前に土台ができているチームに合流することになっても、即戦力になれることは間違いない。
フランス代表にとってウェンバンヤマ不在は痛手だが、ルディ・ゴベアがウェンバンヤマの発表の翌日、参戦を表明したのは朗報だろう。
フランス国籍を取得したカメルーン出身のジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)はこの夏はW杯に出場しないが、コレHCは、来年のオリンピックにおける強力センターの参加についてはまだ諦めていない。
「ウェンバンヤマーゴベアーエンビード」というのが、パリ五輪での『夢のトリオ構想』だ。
「どうか僕の不参加を許してほしい」
19歳の新星は、彼の勇姿をW杯で見ることを心待ちしていたフランス代表のファンに向けて懇願した。
「でも、これは一時的なものであることを約束する。これが最善の選択で、僕はまたすぐに戻ってくる。大事な瞬間に確実に立ち会うためには、キャリアのスタートである今回の機会を逃す方がいい」
理論派のウェンバンヤマらしい釈明と決意表明だ。そして彼の言う通り、数年後により成功するために、新たなキャリアへの挑戦を迎えるこの夏をしっかり準備期間に充てるのはポジティブな策だ。
ウェンバンヤマが満を辞して挑むサンアントニオでのデビューイヤーに、ますます注目が集まりそうだ。
文●小川由紀子
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ウェンバンヤマは昨年11月のW杯予選で初めてA代表でプレーし、デビュー戦のリトアニア戦で20得点、ゲームハイの9リバウンドをマークして90-65の大勝に貢献、そして次のボスニア・ヘルツェゴビナ戦と、2月の2試合(対チェコ、対リトアニア)の3戦ではすべてチームハイの得点を叩き出している。
予選のメンバーと本戦のメンバーは8割方異なるが、ウェンバンヤマが来年のオリンピック前に土台ができているチームに合流することになっても、即戦力になれることは間違いない。
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「どうか僕の不参加を許してほしい」
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「でも、これは一時的なものであることを約束する。これが最善の選択で、僕はまたすぐに戻ってくる。大事な瞬間に確実に立ち会うためには、キャリアのスタートである今回の機会を逃す方がいい」
理論派のウェンバンヤマらしい釈明と決意表明だ。そして彼の言う通り、数年後により成功するために、新たなキャリアへの挑戦を迎えるこの夏をしっかり準備期間に充てるのはポジティブな策だ。
ウェンバンヤマが満を辞して挑むサンアントニオでのデビューイヤーに、ますます注目が集まりそうだ。
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