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NBA

「主役として勝ちたかった。その後どうなろうともね」殿堂入りのウェイドが初優勝時の“特別な想い”を明かす<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.08.14

「2006年だね。あれが最初で、個人としても数多くのことをこなさなきゃならなかったから。……誰もがみな、同じゴールをもっているわけじゃない。……(けど)私はチャンピオンとして知られる存在でありたかったんだ。この後のキャリアがどうなろうと、なんとしてでも優勝したかった。主役としてね。それが自分にとって大きな意味があったんだ」

 2005-06シーズンのヒートは、ウェイドとシャキール・オニールという新旧スーパースターの周囲にアントワン・ウォーカー、ジェイソン・ウィリアムズ、ゲイリー・ペイトン、アロンゾ・モーニングにハズレムという豪華戦力で開幕。しかし、シャックが2戦目でケガのため戦線離脱すると、序盤は波に乗り切れず、スタン・ヴァン・ガンディHC(ヘッドコーチ)が急遽退任してしまう。

 その後パット・ライリー(現球団社長)が指揮官として現場復帰したことや、シャックがケガから戻ってきたことで徐々に勢いづき、プレーオフを勝ち上がって初のファイナル進出。ダラス・マーベリックス相手に2連敗を喫し、第3戦も第4クォーター途中で2桁リードを奪われる窮地に陥るも、そこからヒートが息を吹き返して逆転、そのまま破竹の4連勝で圧倒してみせた。
 
 そのシリーズで、ウェイドは平均34.7点に7.8リバウンド、3.8アシスト、2.7スティール、1.0ブロックという超人的な活躍を披露。積極果敢なアタックでマブズ守備陣へ襲い掛かり、ショットの調子が悪くてもフリースローで加点。第3戦から第6戦にかけて順に42、36、43、36得点と、いずれも両チーム最多をマークした。

「このドラフト組で、私は主役にならなければいけなかった。だからこそ、自分は今この場に立っているんだ。2006年は私が勝ちとってきたトロフィーのなかで、間違いなく最高のものとして記憶に残り続けるだろうね」

 本人がそう話していただけに、ウェイドにとってこの年の初優勝は今でも胸を躍らせる出来事だったに違いない。ヒートへ初優勝をもたらした男、そしてヒート史上最高の選手として、ウェイドはこれからも伝説であり続けるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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