ドイツはフランツ・ヴァグナー、アンドレアス・オブスト、ダニエル・タイスの先発3人が20点超え。司令塔のシュルーダーは、いつもなら決めているシュートを落とすシーンも見られたが、絶妙なパスワークで9アシスト、さらに、ここぞという場面での3ポイントや切れ味鋭いペネトレーションを決めて、試合の流れを引き寄せた。
試合後アメリカのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)も、シュルーダーに手を焼いたことを認めている。
「そこが主なポイントだった。シュルーダーを大いに評価している。彼はディフェンスが難しいガードだ。素早いし、ボールを奪ってはペネトレイトを仕掛けてくるから、ディフェンスを危険にさらすんだ」
24得点を奪われたオブストについても、「常にオープンにしてしまい、コントロールしきれなかった」と悔やんだ。
これで7戦全勝と絶好調のドイツだが、選手全員がこのチームでプレーすることを心より楽しんでいる印象だ。
ゴードン・ハーバートHCも試合後の会見でそれを裏付けるコメントをしている。
「我々は、3年計画でチームを構築してきた。ゆえに3年間コミットしてくれる選手を必要としていた。今年はその2年目だ。去年(銅メダルを獲得したユーロバスケット)はみんなが万全のコンディションで揃い、今年も同様だ。
そうしたコミットメントは重要だが、それよりもまず大切なのは、思いやりの心だ。我々には、お互いを思いやれる選手たちがいる。彼らはお互いのために戦っている。そんな特別な選手が集まった、特別なチームだ。そしてそれ以上に、彼らは人間として素晴らしいんだ」
史上初の決勝進出となるドイツは、10日の決勝戦で、セルビアと対戦する。
文●小川由紀子
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