もっとも、現時点でヨキッチがヨーロッパ出身として歴代最高の選手かというテーマになると、クーコッチは首を縦に振らなかった。
クロアチア出身の万能フォワードは、80年代後半以降にNBAで活躍したパイオニアたち、ドラゼン・ペトロビッチ(クロアチア/元ニュージャージー・ネッツほか)、ディノ・ラジャ(クロアチア/元ボストン・セルティックス)、ブラデ・ディバッツ(セルビア/元サクラメント・キングスほか)、アルビダス・サボニス(リトアニア/元ポートランド・トレイルブレイザーズ)をセレクトした。
「彼(ヨキッチ)がベストかって? 私はドラゼン、ディノ、ディバッツ、それにアルビダスが成し遂げてきたことに彼はまだ達していないと見ている。将来的にはそうなると信じているけどね。でももしサボニスやドラゼン、ディノ、あるいは私が今24歳の状態でNBA入りしていたら…。もしテレビでNBAを観て育っていたら、当時よりもずっといい活躍をしていただろうね。しかしその比較は不要か。これはあくまで私の意見であり、なんと言っても時代が違う。結論として、ヨキッチの持つプレーのクオリティとあのサイズは疑いようもないものだ」
クーコッチが口にしたペトロビッチ、ラジャ、ディバッツ、サボニスは、いずれも殿堂入りを果たしたバスケットボール界のレジェンド。なかでも“伝説のビッグマン”と評されるサボニスは、86年のドラフト24位でブレイザーズから指名されていた逸材だった。
だが当時は故郷リトアニアのカウナスにある強豪ジャルギリスでプレーしていたサボニスは、その頃リトアニアがまだソビエト連邦の支配下にあるなど、政治的な事情もあってアメリカへ行くことができず。実際に入団したのは95-96シーズンで、30歳の時だった。
クーコッチが話したように、もしサボニスが20代でNBA入りしていれば、現在のヨキッチのようにリーグを支配し、NBAの歴史は変わっていたのかもしれない。それでも、彼らがヨーロッパ出身選手たちへの扉を開き、ダーク・ノビツキー(ドイツ/元マーベリックス)やパウ・ガソル(スペイン/元ロサンゼルス・レイカーズほか)、トニー・パーカー(フランス/元サンアントニオ・スパーズほか)といった2000年代以降に活躍した後進へ、大きな影響を与えたことは間違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
クロアチア出身の万能フォワードは、80年代後半以降にNBAで活躍したパイオニアたち、ドラゼン・ペトロビッチ(クロアチア/元ニュージャージー・ネッツほか)、ディノ・ラジャ(クロアチア/元ボストン・セルティックス)、ブラデ・ディバッツ(セルビア/元サクラメント・キングスほか)、アルビダス・サボニス(リトアニア/元ポートランド・トレイルブレイザーズ)をセレクトした。
「彼(ヨキッチ)がベストかって? 私はドラゼン、ディノ、ディバッツ、それにアルビダスが成し遂げてきたことに彼はまだ達していないと見ている。将来的にはそうなると信じているけどね。でももしサボニスやドラゼン、ディノ、あるいは私が今24歳の状態でNBA入りしていたら…。もしテレビでNBAを観て育っていたら、当時よりもずっといい活躍をしていただろうね。しかしその比較は不要か。これはあくまで私の意見であり、なんと言っても時代が違う。結論として、ヨキッチの持つプレーのクオリティとあのサイズは疑いようもないものだ」
クーコッチが口にしたペトロビッチ、ラジャ、ディバッツ、サボニスは、いずれも殿堂入りを果たしたバスケットボール界のレジェンド。なかでも“伝説のビッグマン”と評されるサボニスは、86年のドラフト24位でブレイザーズから指名されていた逸材だった。
だが当時は故郷リトアニアのカウナスにある強豪ジャルギリスでプレーしていたサボニスは、その頃リトアニアがまだソビエト連邦の支配下にあるなど、政治的な事情もあってアメリカへ行くことができず。実際に入団したのは95-96シーズンで、30歳の時だった。
クーコッチが話したように、もしサボニスが20代でNBA入りしていれば、現在のヨキッチのようにリーグを支配し、NBAの歴史は変わっていたのかもしれない。それでも、彼らがヨーロッパ出身選手たちへの扉を開き、ダーク・ノビツキー(ドイツ/元マーベリックス)やパウ・ガソル(スペイン/元ロサンゼルス・レイカーズほか)、トニー・パーカー(フランス/元サンアントニオ・スパーズほか)といった2000年代以降に活躍した後進へ、大きな影響を与えたことは間違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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