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NBA

リーグ最高勝率を残すイーストの“本命”セルティックス。現地記者が語る今季のチームの強みとは?<DUNKSHOOT>

杉浦大介

2024.02.20

ホリデーの加入とブラウンの奮闘により「セルティックスはディフェンスでもクエスチョンマークはなくなった」と寺田氏は語った。

ホリデーの加入とブラウンの奮闘により「セルティックスはディフェンスでもクエスチョンマークはなくなった」と寺田氏は語った。

 ただ、同じく守備に定評があるドリュー・ホリデーの加入はやはり大きかったですね。ブラウンはオフェンスの数字こそややダウンしているのものの、守備では大きな貢献を果たしています。こうしてホリデー、ブラウン、同じく新加入のポルジンギスが頑張っているおかげで、セルティックスはディフェンスでもクエスチョンマークはなくなりました。

 去年は個々の選手の才能頼みのシンプルなディフェンスでしたが、今季は2-1-2のゾーンであるとか、プレスをかけたりとか、チーム全体で新しい方向性を試したりもしています。35歳と若いジョー・マズーラHCも就任2年目を迎え、サム・キャセール、チャールズ・リーといった優れたコーチが加わり、去年と比べてコーチ陣が安定したのも大きかったのでしょう。

 選手の中では、33歳のホリデー、28歳のポルジンギスという2人のベテランがロッカールームでも存在感を発揮しています。リーダーと呼べるのはやはりテイタム、ブラウンで変わりありませんが、ポルジンギスは明るい人柄でメディアからも人気です。また、ブラウンとポルジンギスは同じコンドミニアムに住んでいることもあってかとても仲が良く、移動の飛行機でもいつも一緒に座っているそうです。
 
 ホリデーもかつてNBAの最優秀チームメイトを3度も受賞したような好漢で、2021年に優勝経験もありますから、チーム内でリスペクトを勝ち得ているのは当然でしょう。こういった新加入選手たちのおかげでチーム全体のケミストリーは順調にレベルアップしていると見ています。

 このようにいい方向に向かっていることは確実な中で、懸念材料があるとすれば、プレーオフのクラッチタイムにこれまでと同じようなパフォーマンスができるかどうか、ですね。テイタム、ブラウンは若くして経験豊富ですが、ポルジンギスはプレーオフでは目立った実績があるわけではありません。先ほども話した通り、去年のプレーオフではクラッチタイムに手詰まりになっていただけに、今季もその部分は気になります。

 あとは昨季と比べて今季のチームは層の厚さがもうひとつだけに、故障は怖いところですね。1、2人のケガ人が出たら厳しくなりかねないとは思います。

 もっとも、これらは“弱点”というよりは“未知の要素”。私も今シーズンのセルティックスは強いと思っています。2年前のファイナルでのテイタムはゴールデンステイト・ウォリアーズから徹底マークを受けましたが、その苦闘を経て、今ではダブルチームされた際に良いパスが出せるようになりました。そんな流れに代表されるように、これまでチーム全体で積み重ねてきた様々な経験が、今年のプレーオフでは生きてくるんじゃないかと見ています。
 
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