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NBA

オフの最大の勝者だったはずが…中位を彷徨うネッツが抱える問題とは?

北舘洋一郎

2019.12.30

セルティックス時代はテイタム(右)らと上手く共存できずリーダーとしての能力に疑問符をつけられたアービング。ネッツでも同じ轍を踏んでしまうのか……(C)Getty Images

セルティックス時代はテイタム(右)らと上手く共存できずリーダーとしての能力に疑問符をつけられたアービング。ネッツでも同じ轍を踏んでしまうのか……(C)Getty Images

 セルティックス時代もそうだったが、アービングは人生のすべてをバスケットに捧げるタイプではない。まして不言実行タイプの彼はチームメイトの理解を得るのに時間がかかる。高い技術を自分ではそれほど苦労して会得したと思っていないという発言からも明らかだ。

「イメージすることで身体が動くんだ。イメージできたプレーは自然とできるようになった。俺に練習は必要ない。思ったようにボールを動かせるし、ムーブもできる」

 クリーブランド・キャバリアーズ時代にアービングのスキルコーチを務めていたフィル・ハンディ(現ロサンゼルス・レイカーズ・アシスタントコーチ)は「アービングは自分のフィーリングがフィットすればそれ以上の練習はしない。ディフェンス無しのシューティングの必要はなく、ディフェンスとどう対峙するかの調整だけでいい」と振り返る。

 またレジェンドのレジー・ミラーは、「才能に溢れるアービングの頭の中にバスケットボールのことは半分もないんじゃないか。それでトップスターになれるなんて羨ましい限りだ」と皮肉を交えてコメントしている。
 
 選ばれし者しかコートに立つことができないNBAでアービングのようにすべてのプレーを高いクオリティでやってのける選手は極めて稀。言葉は悪いかもしれないが、彼はリーグ内で“浮いた存在”なのかもしれない。

 それでもチーム一丸とならなければ勝利は掴めない。タレントが揃うネッツが優勝候補に躍り出るためには、選手たちの才能をフルに生かして結果(勝利)につなげるプラットフォームが不可欠だ。戦術、マネージメントと、多岐にわたるアングルからのチームをコーチ陣が作り出せるか。

「昨季、若手中心である程度の結果を出したネッツは、その時の主力だったジャレッド・アレン、キャリス・ルバート、ディンウィディー、ハリスらと、今季加入したアービング、デュラントのベテラン陣がどう融合するのか時間をかけて進める必要がある」とジョーダンは言う。

 アービングが戦列に復帰した時、彼らはどのようなチームに生まれ変わるのか。シーズン後半に向けてネッツは注目すべきチームとなるだろう。

文●北舘洋一郎
 
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