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NBA

ジョーダンの地位を確固たるものにした93年ファイナルで勝敗を分けた「約束事」とは?

北舘洋一郎

2020.01.03

ジョーダンは相棒のピッペンをはじめチームメイトに積極的にパスを捌くことで、いかなる場面でも揺るがない結束を生み出した。(C)Getty Images

ジョーダンは相棒のピッペンをはじめチームメイトに積極的にパスを捌くことで、いかなる場面でも揺るがない結束を生み出した。(C)Getty Images

 この時のことをジョーダンは「すでに2度の優勝を経験した私たちにとって唯一の心配事はコートに立つ選手たちの向かう方向が一致しない場面が出てしまうことだった」と振り返っている。

「オフェンスでもディフェンスでも、作戦が成功している時は選手同士が噛み合って動いていることを肌で感じるものだ。逆に噛み合っていない時は自分のチームのこともそうだが、相手チームが好調だということを察知できる。そういうゲームが自然と出来るようになったのが1993年のプレーオフに臨む前ぐらいだった」

 傍目では、順風満帆で3連覇を成し遂げ、絶対王者に君臨し、負ける気配などかけらもなく戦っていたように見えたが、頂点に立ち続ける裏では人知れぬ苦悩があったのだろう。チームが結束するための施策として、ジョーダンはアシストパスをより重視するようにしたという。アシストはボールマンが何らかのプレーで味方にオープンな状況を提供し、得点を生み出すプレーだが、ジョーダンはこれを意識的にオフェンスに取り入れることを選手たちに伝えていた。
 
「試合の後半になれば自ずとプレーは単調になるのがバスケットボールだ。多くの引き出しがあったとしても、48分も試合をすれば手持ちのカードは無くなってしまう。しかし、常にアシストを意識したプレーをすることで相手に的を絞らせないという表向きの効果と、それ以上に、チームの中にさらなる結束が生むことができる。この後者の効果が実に大事で、チームにエナジーを与えてくれるものになる」とジョーダンは言う。

 思い出して欲しい。当時のブルズがスティールを決めた後に速攻を仕掛けると、必ずボールをフロントコートにプッシュする選手に続いて走り込んでくる選手がいた。そして走り込んだ選手にパスが出てフィニッシュする。ピッペンからジョーダン、その逆のパスも多かった。こういう些細なひとつのパスを取り入れることもジョーダンが勝つために必要とした約束事だったのだ。

「常勝軍団と呼ばれた当時のブルズにはジョーダンが中心となって多くの約束事のようなものが生まれていった。もちろんヘッドコーチのフィル・ジャクソンもそういう決め事が好きだったから、チームとしての違和感もなかった」とピッペンは言う。
 
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