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NBA

2020年NBAドラフトの注目株。フランス期待のコンボガード、テオ・マレドンは第2のトニー・パーカーになれるか

小川由紀子

2020.01.13

クラブの先輩であり、現オーナーのパーカー(右)も、マレドンのNBAでの活躍に期待を寄せる。(C)Getty Images

クラブの先輩であり、現オーナーのパーカー(右)も、マレドンのNBAでの活躍に期待を寄せる。(C)Getty Images

 その彼が、わずか3年後にはフランスで最多のタイトル獲得数を誇るプロクラブ、アスベルでスターティングガードを務め、ユーロカップ(ユーロリーグの1つ下のカテゴリー)に出場し、国内リーグとカップ戦のダブル優勝に貢献したことを思うと、ポテンシャルに恵まれただけでなく、いかに強い意志と目標をもって取り組んできたかがわかる。

 INSEPの生徒たちで形成されるチーム、CFBBは対外試合の場として3部リーグに参戦することが通例で、通常はU18クラスの選手を送り込むのだが、マレドンは14歳だった入所初年度から3試合に出場。15歳になった翌シーズンにはスターターに昇格した。入団も他の選手より1年早い「飛び級」だったが、卒業も2年繰り上げ、17年夏にはINSEPを巣立ち、アスベルに入団した。

 元来の性格と、早くから年長者に混ざってプレーしてきたことで、彼には年齢以上の落ち着きが備わっている。以前は思い通りのプレーができないと苛立つ様子もあったと当時のコーチは話しているが、今の彼には相手からプレッシャーをかけられても動じることなく、自分のプレーを解析する冷静さが養われてきた。
 
 昨季のジープ・エリート(フランスの国内リーグ、旧ProA)では、ディフェンディングチャンピオンのル・マンとの対戦で、指揮官から司令塔役を任された。すると彼は、21分のプレータイムでキャリアハイの20得点をマーク。10本のフリースローをすべて成功させたほか、4アシスト、2スティールの活躍で、80-76の勝利に導いた。

「シーズンオフの間、より責任あるポジションを任されても大丈夫なようにしっかり準備してきた。司令塔の役割は好きだ」

 試合後にそう語ったマレドンは、12月には歴代最年少でオールスターに選ばれ、このシーズンのベストヤングプレーヤーにも選出された。

 そして今季は、欧州最高峰リーグであるユーロリーグでデビュー。平均16.1分のプレータイムを獲得し、6.7点、2.7アシストをマーク。第9節のアナドール・エフェス戦では、10得点、7アシストを記録している。
 
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