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NBA

就任1年目からグリズリーズを浮上させた35歳の熱血漢、テイラー・ジェンキンスのコーチキャリア

杉浦大介

2020.01.20

昨季まではホークスとバックスでブーデンホルザーのACとして、経験を積んだ。(C)Getty Images

昨季まではホークスとバックスでブーデンホルザーのACとして、経験を積んだ。(C)Getty Images

 完全な再建体制に入ったグリズリーズは、この若さと情熱、頭脳を備えた人物を新指揮官に選んだ。チームはこの1年間で主力のマイク・コンリーとマルク・ガソルを放出。ロースターを再構成し、18年のドラフト4位指名のジャレン・ジャクソンJr.、今年の2位指名のジャ・モラント、そしてジェンキンスが軸となった新たなチーム作りをスタートしている。

「テイラーは優れたコーチ歴を持っています。彼が優秀な洞察力を駆使してこのチームに在籍している若い選手たちを育成し、基礎を構築してくれると自信を持っています。彼はハイレベルなNBAのHCになるだろうと我々は見ています」(チームのバスケットボール部門副代表、ザック・レイマン)。
 
 レイマンはそう期待を込めて語ったが、実際、ジェンキンスは就任1年目から若手のモラントとジャクソンJr.らを上手くまとめ、ここまでチームをプレーオフ圏内の8位に導くなど、予想以上の好成績を収めている。シーズンはまだ40試合近く残っており、20代前半の選手が多いグリズリーズは後半戦でスランプに陥ることもあるだろう。しかし知識に裏打ちされたエネルギッシュな姿勢を保つ若き指揮官がいる限り、メンフィスの未来は明るいはずだ。


■テイラー・ジェンキンスのPROFILE
1984年9月12日、テキサス州ダラス生まれ。大学はアイビーリーグのペンシルバニア大ウォートン校に進み、経済学の理学士号を取得。祖母のコネクションもあり、2007年にインターンとしてスパーズ入りし、ドラフト候補生の映像編集などを行なう。翌年にDリーグ(現Gリーグ)オースティン・トロズのACに抜擢されると12-13シーズンにはHCを任され、1年目からチームをプレーオフ進出に導く。13年にマイク・ブーデンホルザーに誘われてホークスへ。同チームで5年間アシスタントコーチとして活躍したのち、昨夏にブーデンホルザーとともにバックスへ移り、チームの躍進を陰で支えた。19年6月11日にグリズリーズのHCに就任。

文●杉浦大介
※ダンクシュート2019年9月号より加筆・修正
 
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