試合前、アメリカ国歌に続いてフランス国歌が斉唱されると、感極まった表情も見せていたウェンビー。そのあとマイクを取って「ボンソワール、パリ!(パリの皆さん、こんばんは)」と挨拶を始めると、歓声が鳴り止むまで30秒ほど次の言葉を待たなくてはならなかったほど、会場は沸きに沸いた。
そんな空気の中、ウェンバンヤマはゲームハイの30得点に11リバウンド、5ブロックの大活躍でスパーズに勝利をもたらした。
試合後にポールは、「今シーズンを通して彼がプレーした中で最高のゲームのひとつだ。家族や友人たちが見守る中、自分の地元で莫大な期待を浴びてプレーする場となれば、張り切りすぎて自分を見失ってしまう選手だっている。けれど彼は、コートの両サイドで素晴らしい働きをしてくれたね」と絶賛。
敵将リック・カーライルも、「フランスは、(彼のような選手がいることを)とても、とても誇りに思うべきだ。彼は唯一無二の存在。おそらく、何世代かに一度現れるかどうかの逸材だ。彼については、ただ素晴らしいとしか言いようがない」と褒めちぎった。
また、試合前の会見でアダム・シルバー・コミッショナーは、ウェンバンヤマについて、「(ドラフト前に)想像していた以上だった。そのひとつはコート上でのプレーの素晴らしさ、もうひとつは、ファンと交流したい彼の熱意だ」と語っていた。
昨年末、遠征でニューヨークを訪れた際に、マンハッタンのワシントンスクエアで地元民とチェスを楽しんだエピソードを例に挙げ、ウェンバンヤマがファンと近い存在であろうとする姿勢をコミッショナーは讃えた。
実際、ウェンバンヤマのファンエンゲージメントの意識は高く、戦略的だ。パリ滞在中、時間の都合上3つのメディアに絞って個別取材に応じたのだが、彼が選んだのは、ひとつはフランス人がもっとも視聴する午後8時のテレビニュース、ふたつ目は同じく視聴者層の広いラジオ局、そして3つ目は、ディズニーの子ども向け雑誌『Picsou Magazine』だった。
あえてスポーツ専門メディアは外された形となったが、その理由を彼は、「自分に興味を持ってくれている広い層に声が届くように」と語っている。
ソーシャルメディアのフォロー数がNBAで3番目に多く、ユニフォームの売り上げでは5位と人気選手となったウェンバンヤマに、シルバーコミッショナーは、「彼は21歳になったばかりで、レブロン(ジェームズ)は40歳になった。ここから19年間の素晴らしい活躍のチャンスがある」と期待を込めた。
21歳にしてここまで成熟している彼が、今後コートの内外でどのように進化していくかは本当に楽しみだ。
バスケットボール選手のキャリアを終えた時、ウェンバンヤマは、「決して近道をせず、正しいステップ、正しい決断を選びながら歩んできた人、忠実で、勤勉で、なおかつ革新的な選手だった」として人々に記憶されたいそうだ。
文化や哲学にも秀でた独特の世界観を持つウェンバンヤマは、NBA2年目にして、すでにその片鱗を見せている。
文●小川由紀子
「まるでオールスター」だったNBAパリゲーム。ウェンバンヤマは第1戦で有言実行の大暴れ「スペクタクルな試合を約束する」<DUNKSHOOT>
【現地レポート】NBAパリゲームズ開催間近!地元の英雄ウェンバンヤマを中心に高まるフランスのバスケ熱<DUNKSHOOT>
目覚ましいスピードで進化を続けるウェンバンヤマ「このリーグでモチベーションを見つけるのは難しいことじゃない」<DUNKSHOOT>
そんな空気の中、ウェンバンヤマはゲームハイの30得点に11リバウンド、5ブロックの大活躍でスパーズに勝利をもたらした。
試合後にポールは、「今シーズンを通して彼がプレーした中で最高のゲームのひとつだ。家族や友人たちが見守る中、自分の地元で莫大な期待を浴びてプレーする場となれば、張り切りすぎて自分を見失ってしまう選手だっている。けれど彼は、コートの両サイドで素晴らしい働きをしてくれたね」と絶賛。
敵将リック・カーライルも、「フランスは、(彼のような選手がいることを)とても、とても誇りに思うべきだ。彼は唯一無二の存在。おそらく、何世代かに一度現れるかどうかの逸材だ。彼については、ただ素晴らしいとしか言いようがない」と褒めちぎった。
また、試合前の会見でアダム・シルバー・コミッショナーは、ウェンバンヤマについて、「(ドラフト前に)想像していた以上だった。そのひとつはコート上でのプレーの素晴らしさ、もうひとつは、ファンと交流したい彼の熱意だ」と語っていた。
昨年末、遠征でニューヨークを訪れた際に、マンハッタンのワシントンスクエアで地元民とチェスを楽しんだエピソードを例に挙げ、ウェンバンヤマがファンと近い存在であろうとする姿勢をコミッショナーは讃えた。
実際、ウェンバンヤマのファンエンゲージメントの意識は高く、戦略的だ。パリ滞在中、時間の都合上3つのメディアに絞って個別取材に応じたのだが、彼が選んだのは、ひとつはフランス人がもっとも視聴する午後8時のテレビニュース、ふたつ目は同じく視聴者層の広いラジオ局、そして3つ目は、ディズニーの子ども向け雑誌『Picsou Magazine』だった。
あえてスポーツ専門メディアは外された形となったが、その理由を彼は、「自分に興味を持ってくれている広い層に声が届くように」と語っている。
ソーシャルメディアのフォロー数がNBAで3番目に多く、ユニフォームの売り上げでは5位と人気選手となったウェンバンヤマに、シルバーコミッショナーは、「彼は21歳になったばかりで、レブロン(ジェームズ)は40歳になった。ここから19年間の素晴らしい活躍のチャンスがある」と期待を込めた。
21歳にしてここまで成熟している彼が、今後コートの内外でどのように進化していくかは本当に楽しみだ。
バスケットボール選手のキャリアを終えた時、ウェンバンヤマは、「決して近道をせず、正しいステップ、正しい決断を選びながら歩んできた人、忠実で、勤勉で、なおかつ革新的な選手だった」として人々に記憶されたいそうだ。
文化や哲学にも秀でた独特の世界観を持つウェンバンヤマは、NBA2年目にして、すでにその片鱗を見せている。
文●小川由紀子
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