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NBA

正式始動した“NBAヨーロッパ進出計画”への期待と懸念点。欧州のバスケファンは大半が反対or疑問視の声<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2025.03.30

『The Athletic』は、現在ユーロリーグのライセンスを保有している4球団が参戦すると予想。とりわけNBA側はスペインの2強、レアル・マドリーとバルセロナ、トルコのフェネルバフチェ、そしてトニー・パーカー(元サンアントニオ・スパーズほか)が会長を務めるフランスのアスヴェルに関心を示していると報じている。

 パーカーも今年の初め、フランスのメディアに対し「アスヴェルとともにNBAヨーロッパに参戦したい。目指すのは(NBAと)協力し合って前例のないことを行なうことだ」と話していたから、パーカーとのリンクを考えてもアスヴェルの参戦は濃厚だろう。

 さらにNBA側は、新たなフランチャイズの発足も奨励している。

 パリやロンドン、ミラノ、マドリードといった欧州の主要都市にNBAのフランチャイズを設け、新たなアリーナを造り、NBAカルチャーを浸透させることはこの計画の重要な目的でもある。
 
 手っ取り早い方法としては、これらの都市ですでに地位を確立しているサッカークラブを巻き込むことだ。バスケ部門を新設、あるいは既存のクラブを吸収する形でチームを誕生させ、それをNBAヨーロッパのフランチャイズ化する。

 すでにパリを拠点とするサッカークラブのパリ・サンジェルマンは、NBA側から打診があったことを認めた上で「前向きに検討している」と地元紙にコメントしている。

 パリ・サンジェルマンのオーナーはカタール資本だ。今年のユーロリーグのファイナル4が史上初めてUAEのアブダビで行なわれるように、中東はここ最近、バスケットボール文化の振興に意欲的。そのため、NBAカルチャーをより広域に拡大していきたいアメリカ側にとっても、win-winの相手ということになる。

 また、このプロジェクトではヨーロッパのバスケットボールをより発展させるため、クラブチームの育成アカデミーや、選手、コーチ、審判の育成プログラムなどについても、NBAとFIBAが協力して財政的、ノウハウ的な支援を提供していくことがプランに盛り込まれている。

 では、ヨーロッパのバスケファンの反応はというと、フランスの『レキップ』が報じたこのニュースに寄せられたコメントを見ても、ほぼすべてがこのアイデアに反対、あるいは疑問視している。
 
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