このように、すでに持つ特徴や、ヒザや足首に負担をかけないような動き方についても、ジムと陸上でのトレーニングを織り交ぜながら、徹底して取り組んだ。

　そして６月に入ってバスケが解禁となると、ハングリーさは一層向上。

　まだ５対５のゲーム形式のプレーは試していないようだが、８月下旬に開幕するユーロバスケットに向けて代表チームに合流した際に、トレーニングの成果を試すことをドンチッチは楽しみにしている。

「睡眠の質が向上し、身体全体がしっかり休めていると感じている」と、ドンチッチはここ数年で最高のコンディションを実感しているという。　

　マブズ時代には、大先輩ダーク・ノビツキーの徹底したトレーニングを目の当たりにし、また彼が憧れの選手であるマイケル・ジョーダンとコビー・ブライアントも、ストイックな練習の鬼として知られていた。
  　先人たちに以前から感化されていたドンチッチは、今年の夏、「いつものオフとは違うことをやろう」と奮起。自分のコンディションや体重に関する批判を払拭して、この先何年間もNBAのトッププレーヤーであり続けるために一歩を踏み出した。

「トレーニングの狙いは、自分のベストを尽くし、自分の健康を大切にすることだ。今年は、チームとともに大きな一歩を踏み出すことができた。だけどまだ始まりに過ぎない。これからも続けていく必要がある。立ち止まることなくね」

　今後マッサージ師や専門のシューティングコーチなども加わって、チーム・ルカはさらにパワーアップする見込みだ。

　生まれ変わったドンチッチが、新シーズンにどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から楽しみだ。

文●小川由紀子

【PHOTO】レブロン級の逸材！スロベニアが生んだ若き天才、ルカ・ドンチッチの厳選フォト特集！