こうして築かれたジョーダンとロッドマンの信頼関係は、２度目のスリーピートを決めた98年ファイナルの第６戦で、優勝を決定づける重要な場面を生み出した。

　試合時間残り41.9秒、83－86でユタ・ジャズがリード。直後にジョーダンがドライブからレイアップを決め、１点差に迫る。ここで残り34秒。

　ジャズはジョン・ストックトンがボールを運び、左ローポストのカール・マローンにボールを渡す。ロッドマンはこの試合中、マローンに対し手を替え品を替え、しつこいまでの徹底マークを続けていたため、マローンはロッドマンのディフェンスにばかり気を取られていた。
  　その一瞬の隙を突き、ジョーダンはマローンの死角からボールを奪う。ジョーダンとロッドマンの約束が、大輪を咲かせた瞬間だった。

　そして次のオフェンスで、ジョーダンが“ザ・ショット”を沈め勝利を手にするのである。ジョーダンとブルズが残した数々の伝説や名勝負のなかでも、一際輝くこのシーンは、ジョーダンとロッドマンの“信頼関係”がなければ誕生し得なかったのだ。

文●北舘洋一郎

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