専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

【NBAスター悲話】レジー・ルイス――ボストンの英雄を襲った悲劇的な最期【前編】

大井成義

2020.03.06

5年目の93年にはオールスターに出場。翌年にはキャプテンに就任したが、同シーズンのプレーオフが彼にとって最後の試合に。(C)Getty Images

5年目の93年にはオールスターに出場。翌年にはキャプテンに就任したが、同シーズンのプレーオフが彼にとって最後の試合に。(C)Getty Images

 4年目にスターターの座を確固たるものとし、翌年にはオールスターにも出場、リーグのトップ・シューティングガードの仲間入りを果たした。そして迎えた1992年、バードの引退にともない、ルイスはチームのキャプテンに任命される。伝統あるセルティックスの新キャプテン、そして若きフランチャイズプレーヤーとして、輝かしい未来がルイスを待っているはずだった。

 キャプテン1年目の1992-93シーズン、ルイスは2年連続で平均得点を20点台に乗せ、期待にたがわぬ活躍を披露した。チームも順調に白星を重ね、迎えたプレーオフ1回戦の相手はシャーロット・ホーネッツ。そこには、高校時代に夢を語り合ったボーグスとウィンゲイトの姿があり、彼らは夢の実現を喜び合った。

 1993年4月29日、プレーオフ初戦はホームのボストン・ガーデンで行なわれた。試合開始早々に10得点をマークし、絶好調のルイスだったが、その瞬間は突然訪れた。第1クォーターの途中、コートをゆっくり駆け上がっていたルイスは、よろけながらつんのめるように前方へ倒れ込む。すぐさま意識は取り戻したものの、胸に手を当てて少しのあいだ呆然と床に座っていた。
 
 ベンチに下がった後に一度コートに戻るも、目眩を覚え、また呼吸に違和感があったため再びベンチに引っ込んだ。ハーフタイム中、チームドクターのアーノルド・シェラーが診察したところ、ルイスの身体に異常は認められず、「後半もプレーしたい」という本人の強い希望を聞き入れ、ゴーサインを出した。

 第3クォーターが6分を経過したところで、ルイスは再びコートに戻る。しかし、わずかに足を引きずっており、それに気づいたチームメイトがコーチに異常を知らせ、再びベンチに下げられた。

 出場時間13分、FG7/11、17点、2リバウンド、1アシスト、1ブロック。それが、ルイスにとって人生最後となるNBAでのプレーだった。(後編に続く)

文●大井成義

※『ダンクシュート』2003年8月号掲載原稿に加筆・修正。

【名場面PHOTO】ジョーダン最後のオールスター、コビー81得点、カーターの豪快ダンク……1999-2019 NBA名場面集
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号