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NBA

「八村選手の第一印象は……」ウィザーズの専属ビデオグラファーが語る、八村の素顔や仕事の舞台裏とは?

秋山裕之

2020.04.22

最も印象に残っているのはピアースで、「とても献身的で、カメラに写るのが大好きだった」そうだ。(C)Getty Images

最も印象に残っているのはピアースで、「とても献身的で、カメラに写るのが大好きだった」そうだ。(C)Getty Images

 もっとも、ウィザーズ入りしてから約10か月が経過した今、八村に対する印象は変わったという。

「初めて会った時と今とで、八村選手の印象は変わっています。気分によっては静かなこともありますが、普段はとても面白い人ですよ。チームメイトやコーチ陣とジョークを言い合うのが好きなんです。コート外ではとても人懐っこく、私に好きなテレビ番組を勧めてくれました。自分が出演した回の『テラスハウス』を見てほしいそうです(笑)」

 NBA入り後も、八村の屈託のない笑顔や人懐っこさは変わりがないようだ。移動中の飛行機のなかでも観ているという『テラスハウス』をお勧めしているということは、ウールフォーク氏が八村と打ち解けていることを端的に表していると言えるだろう。

 また、「現役も含めて、自分が観たなかで最も記憶に残っているウィザーズの選手は?」という質問には、2014-15シーズンのみ在籍したレジェンド、ポール・ピアースを挙げていた。
 
「飛び抜けて印象深いのはポール・ピアース選手ですね。私がもっと若かった頃、父と一緒に彼のプレーを観ていたのを覚えています。なんて激しい選手なんだろうと思いました。彼はとてもアグレッシブで、試合中ずっと相手と睨み合っていました。彼がウィザーズに来た年は、チームとプロダクション部門にとって驚きに満ちた1年になりました。私もプレーオフまで本当に楽しく撮影できて、個人的にあんな体験ができるなんて思いもしませんでした。ポール・ピアースという人は本当に楽しい人物なんです。チームと選手たちに献身的で、カメラに写ることが大好きでした。私たちはあらゆる状況で撮影し、彼も喜んでそれに応じて、ありのままの姿を見せてくれました。ウィザーズを去った後も、アリーナでプレーする時はいつも私を見つけてくれて近況を報告し合いました」

 ウィザーズ在籍時、ピアースは全盛期こそ過ぎていたものの、勝負所ではビッグプレーを連発。残した個人成績以上の大きなインパクトを放っていた。

 チーム専属ビデオグラファーという仕事に対するプライドの高さ、そしてどれだけ選手たちと真剣に向き合い、熱を入れて撮影しているか。普段はあまり表舞台に立たないウールフォーク氏のインタビューから、その仕事への情熱を垣間見ることができたのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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