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NBA

NBAオールタイム“ヨーロピアンチーム”に入った名手たち。現役は2人、旧ユーゴの国からは5人が選出<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2022.04.16

 クーコッチはマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペンらとともに3連覇を達成したシカゴ・ブルズ黄金期のシックスマンだ。

 現在のように外国人選手がNBAに多くなかった当時、バスケファンでなくとも知っていたほど世界的なアイコンとなっていたブルズの一員だったクーコッチは、母国クロアチアのファンだけでなく、欧州のバスケファンにとって誇らしい存在だった。

 その彼と同じ時期、ポートランド・トレイルブレイザーズで活躍したビッグマン、アルビダス・サボニスも、欧州選手の評価を高めた先駆者の1人だ。ポイントガード顔負けの鮮やかなパスを繰り出すスタイルは、いまだに絶大な尊敬を勝ち得ている。現在は息子のドマンタスもオールスター選手となり、父のスタイルを受け継いでいる。

 ストヤコビッチは1996年のドラフトでサクラメント・キングスから14位指名を受け、その2年後の98-99シーズンにNBAデビュー。3ポイントシュートはキャリア通算の成功率が4割を超える腕利きで、オールスターの3ポイントコンテストでは2002、03年に連覇を飾っている。11年にはマブズでノビツキーとともにタイトルを獲得し、引退後は15年から5年間、古巣のキングスのフロントでアシスタントGMなどのポストを務めた。
 
 ペトロビッチはNBAでプレーしたのはわずか4年だが、28歳で交通事故により他界したこともあり、伝説的な存在としていまだに根強い人気を誇る。しかしそれだけでなく、彼の創造性にあふれたプレースタイルこそがなんとも魅力的だった。

 自身も名シューターとして知られたレジー・ミラーは、ペトロビッチを自身が見たなかで最高のシューターだと称している。背番号3はニュージャージー(ブルックリン)・ネッツの永久欠番だ。

 それにしても、両チーム合わせて10人のうちの半分、5人が旧ユーゴスラビアの選手というのはさすがかつてのバスケ大国といったところだ。ちなみに昨季のユーロリーグMVPはアナドル・エフェスのガード、ヴァシリエ・ミチッチで、彼もヨキッチと同じセルビア人。つまり2021年は、世界最高峰のNBAと、世界2位と言われるユーロリーグの両方のMVPがセルビア人だった。

 バスケットボールだけでなくサッカーや水球など、球技全般に優れている理由はなんなのか?と、バスケコーチをしているセルビア人の旧友に尋ねたことがあるのだが、「我々はお金がないから、特殊な器具や施設を使う個人スポーツには向かない。だから昔からボールひとつでみんなでやれるチームスポーツが盛んになったのだ」と言っていた。

 たしかに一理あるが、それに加えてこの地域の人たちは語学の才能にも長けており、独特の器用さや勘の良さがあるように思う。

 ともあれ、栄えある75周年記念のオールタイム欧州チーム。納得のメンバーという印象だが、皆さんは「自分ならこの人を推したい!」という選手はいただろうか。

文●小川由紀子
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