さらにウドゥがトルコで得たのは、タイトルや人気だけではなかった。
大学時代はリバウンドやブロックを得意とする傍ら、 ボールハンドリングにも優れ、ドリブルでのペネトレーションも得意とするゲームメイカーだった。ベイラー大ではアシスト数もチームで2番目に多く、ジャンプシュートの練習にも熱心に取り組み、26本中6本成功と多くはないが、3ポイントシュートも打っていた。
ベイラー大に転校する前に在籍していたミシガン大の恩師、トミー・アメイカーもこう証言している。
「彼は信じられないほどのバスケットボールIQを持っていて、パサーとしては過小評価されている。本当によくバスケットボールを知っていて、ゲームのニュアンスや細かいポイントを理解している子だったよ」
ところがNBAでの役割はゴール下で身体を張ることに限定され、本来の力を発揮できず。スターターに定着できないのはオフェンス力不足と指摘され、「ビッグマンがインサイドの仕事に特化していた10年前ならオールスター選手だった」とも言われた。
それがフェネルバフチェでは攻撃でも役割を与えられ、さらには選手の可能性を伸ばすことに重点を置くオブラドビッチHCの指導により、大学時代のようなオールラウンダーとしてのプレーも蘇ってきた。
「ゲームの細かい部分まで厳しく注意を配ることを求めるオブラドビッチHCの下で、より完成された選手になれる」と、ウドゥも欧州バスケットボールの専門サイト『Eurohoops』のインタビューで語っている。
ユーロリーグ優勝を置き土産に、惜しまれつつフェネルバフチェを退団したウドゥは17-18シーズン、ユタ・ジャズでNBAに復帰。2シーズンを戦った後の2019年には中国に渡り、その間ナイジェリア代表の一員として同年のワールドカップと2021年夏の東京五輪にも出場した。
21-22シーズンは再びヨーロッパに戻ってスペイン代表のセルヒオ・スカリオーロHC率いるイタリアのヴィルトゥス・ボローニャに加入したが、9月のスーパーカップで、フロアに貼られた広告のステッカーで足を滑らせて左ヒザの膝蓋腱損傷という大ケガを負い、その後のシーズンを全休することになってしまった。
翌年の1月中旬からようやくリハビリを始めたウドゥにとって、12月24日の信州戦は約15か月ぶりの公式戦出場だった。翌日に行なわれた試合では、19分のプレータイムで10リバウンドを奪取。大晦日の富山グラウジーズ戦では約13分で4ブロックを記録するなど、ウドゥ入団後の5試合で島根は5連勝と、いい波を引き寄せている。
神様が集まる国、島根の伝説や文化も、きっとウドゥの好奇心を刺激するに違いない。大きな飛躍を遂げたフェネルバフチェ時代と同様、スサノオマジックのファンとの間にも、特別な絆が築かれることを期待したい。
文●小川由紀子
大学時代はリバウンドやブロックを得意とする傍ら、 ボールハンドリングにも優れ、ドリブルでのペネトレーションも得意とするゲームメイカーだった。ベイラー大ではアシスト数もチームで2番目に多く、ジャンプシュートの練習にも熱心に取り組み、26本中6本成功と多くはないが、3ポイントシュートも打っていた。
ベイラー大に転校する前に在籍していたミシガン大の恩師、トミー・アメイカーもこう証言している。
「彼は信じられないほどのバスケットボールIQを持っていて、パサーとしては過小評価されている。本当によくバスケットボールを知っていて、ゲームのニュアンスや細かいポイントを理解している子だったよ」
ところがNBAでの役割はゴール下で身体を張ることに限定され、本来の力を発揮できず。スターターに定着できないのはオフェンス力不足と指摘され、「ビッグマンがインサイドの仕事に特化していた10年前ならオールスター選手だった」とも言われた。
それがフェネルバフチェでは攻撃でも役割を与えられ、さらには選手の可能性を伸ばすことに重点を置くオブラドビッチHCの指導により、大学時代のようなオールラウンダーとしてのプレーも蘇ってきた。
「ゲームの細かい部分まで厳しく注意を配ることを求めるオブラドビッチHCの下で、より完成された選手になれる」と、ウドゥも欧州バスケットボールの専門サイト『Eurohoops』のインタビューで語っている。
ユーロリーグ優勝を置き土産に、惜しまれつつフェネルバフチェを退団したウドゥは17-18シーズン、ユタ・ジャズでNBAに復帰。2シーズンを戦った後の2019年には中国に渡り、その間ナイジェリア代表の一員として同年のワールドカップと2021年夏の東京五輪にも出場した。
21-22シーズンは再びヨーロッパに戻ってスペイン代表のセルヒオ・スカリオーロHC率いるイタリアのヴィルトゥス・ボローニャに加入したが、9月のスーパーカップで、フロアに貼られた広告のステッカーで足を滑らせて左ヒザの膝蓋腱損傷という大ケガを負い、その後のシーズンを全休することになってしまった。
翌年の1月中旬からようやくリハビリを始めたウドゥにとって、12月24日の信州戦は約15か月ぶりの公式戦出場だった。翌日に行なわれた試合では、19分のプレータイムで10リバウンドを奪取。大晦日の富山グラウジーズ戦では約13分で4ブロックを記録するなど、ウドゥ入団後の5試合で島根は5連勝と、いい波を引き寄せている。
神様が集まる国、島根の伝説や文化も、きっとウドゥの好奇心を刺激するに違いない。大きな飛躍を遂げたフェネルバフチェ時代と同様、スサノオマジックのファンとの間にも、特別な絆が築かれることを期待したい。
文●小川由紀子
関連記事
- 【NBA】ネッツがブルズに敗れ連勝は12でストップ。デュラントが44得点も、渡邊雄太はファウルトラブルに苦戦<DUNKSHOOT>
- ドンチッチとエンビードが12月の月間MVPに選出! ともに平均35点超えの得点力でチームを牽引|NBA12月<DUNKSHOOT>
- 3年連続のMVP受賞には無関心のヨキッチ「記録のためにプレーしているわけじゃない」<DUNKSHOOT>
- 平均48.7点のドンチッチが2週連続でMVP!“元相棒”ポルジンギスとともに2023年初受賞|NBA第11週
- キャブズのミッチェルがNBA史上8位の71得点!現役選手では70得点のブッカーを抜きトップに浮上!<DUNKSHOOT>