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バスケW杯

バスケW杯初出場の南スーダンが抱く“さらなる野望”「オリンピックで国旗をはためかせたい」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.03.06

 今回の予選通過を受けて、デンは世界中で活躍するプレーヤーを呼び寄せるつもりだ。その筆頭が、オーランド・マジックのフォワード、ボル・ボル。彼は、デンに初めてバスケットボールを教えた南スーダンのバスケットボールの父であり英雄、マヌート・ボル(元ワシントン・ブレッツ/現ウィザーズほか)の息子だ。

 そしてロサンゼルス・レイカーズのビッグマン、ウェニエン・ガブリエルや、Gリーグのメイン・セルティックスに所属するスウィングマンのマリアル・シェヨック、同じくGリーグのウエストチェスター・ニックスに在籍するフォワード、アヌンワ “ヌニ” オモットらも候補に挙がっている。

 昨夏インドネシアで開催されたFIBAアジアカップの優勝国で、日本も準々決勝で対戦したオーストラリアの主砲ソン・メイカーも、デンと同じ南スーダンのワーウ出身。またデン自身もイギリス代表でプレーしていたように、世界各国にまだまだ未発掘の才能が散らばっている。
 
「私はNBAで知名度を上げたため、人々は私のことを認知している。しかし自分の能力を発揮できるはずの素晴らしい人たち、素晴らしい難民は大勢いる。私の目標は、そうした彼らのための試みを続けていくことだ」

『Olympics.com』のインタビューで、デンはそう語った。

 具体的な試みとして、デンはイギリスや南スーダンにバスケットボールアカデミーを設立しているほか、“ルオル・デン基金”を通じて、若者や恵まれない環境にある人たちに向けたバスケットボールプログラムといった活動を頻繁に開催しては、才能の発掘と育成に邁進している。今回のワールドカップ出場権獲得も、そうして育った人材が戦力となった成果のひとつだ。

 南スーダン代表のニックネームは“Bright Stars”。日本語で“輝ける星”という。

 今年のワールドカップで、彼らはどんな輝きを放ってくれるのだろうか。

文●小川由紀子
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